12月21日、歴史文化学科考古学・民俗学研究コースでは、奈良県五條市より「篠原おどり保存会」を招いて、「篠原踊」の実演と体験型ワークショップを実施し、民俗学実習および考古学・民俗学特講3の受講生を中心に約30名の学生が参加しました。
奈良県無形民俗文化財の指定を受けているこの踊りは、五條市の篠原地区で、毎年1月第3日曜日に行われています。現在、この地区は戸数が10軒未満のため、保存会が踊りの伝承者を公募し伝統を守り続けています。
当日は、保存会による「入り波」「宝踊り」の披露に続き、奈良県文化財保存課職員の森本仙介氏が奈良県の風流踊りやその一つである「篠原踊」の特徴について解説を行いました。その後、太鼓チームと扇子チームにわかれ、それぞれの踊り方について保存会から解説を受け、学生らも「篠原踊」を踊る実体験を得ました。
自身の身体を使って民俗芸能を実体験する今回のワークショップでは、ほとんどの学生が初めての体験ということもあって強い関心を示しました。また、人口が減少するなかでいかに地域の伝統文化を守り伝えていくべきか、今回の交流を通じて深く考えた学生も多く見られました。
松岡 薫講師コメント
「今後も奈良県内の民俗芸能保存団体との交流を通じて、地域で伝えられてきた伝統文化の豊かさや面白さについて学生に学ぶ機会を提供したいと考えています」
参加学生コメント
「音頭取りの方が、『小さい頃からみんながやっていて、だから踊るのが楽しい。好き』と話していたのがとても印象に残っている。そのことが、踊りを続けていく一番の動機になっているのではないかと感じた」
「授業で習っていた風流などの民俗芸能を体験することによって、知識と体験が一致して良かった。保存会の方々も私たち一人一人に丁寧に教えてくださり、本気で伝えていきたいという熱意を感じた」
「実演を見ていた時は、踊りのパターンは繰り返しが多く簡単だと思っていた。しかし、実際に踊ってみると、扇の向きや足の向きなど細かい動きが多く難しいところもあった。少し慣れると踊りに対する楽しさが見えてきた」