山添村で「民俗学実習3」を実施
山村の暮らしを聞き取り、民俗調査を実践的に学ぶ 2026.10.07 人文学部歴史文化学科地域・企業との連携受験生の方へ在学生の方へ在学生保護者の方へ受験生の保護者・高校教職員の方へ # 民俗学コース

天理大学歴史文化学科では、9月15日から18日までの4日間、奈良県山添村教育委員会のご協力の下、東山公民館(山添村)を拠点に、「民俗学実習3・4」(集中)を実施しました。この実習には同学科民俗学コースの2・3年次生8名が参加し、地域の暮らしや文化をテーマに、実践的な民俗調査に取り組みました。

「民俗学実習3・4」は、見学や観察、聞き取り調査などを通して、民俗調査に必要な基本的な知識や技術を実践的に学ぶ授業です。

実習に先立ち、学生たちは山添村の民俗文化に関する事前学習を行い、歴史文化学科 齊藤純教授と同学松岡薫准教授から助言を受け、調査テーマや質問内容を検討しました。

地域の方々への聞き取り調査を実施

今回の実習では、初日(15日)から17日までの3日間、東山地区の住民の方を中心に、暮らしの移り変わりや食文化について、各自の関心に沿って聞き取り調査を実施しました。日によっては、公民館の外を出て、地域住民の方々を訪問して聞き取り調査を行うこともありました。

そのうち、築150年以上の歴史を持つお宅では、松岡准教授と学生4名が調査を実施。現在も住居として使われている建物について説明を受けたほか、数年前に茅葺き屋根を葺き替えた際、屋根裏から見つかった記録によって、明治5年に建てられたことが分かったという興味深いエピソードも伺いました。

調査では、山添村の食文化について学生から多くの質問が寄せられました。子どもの頃のおやつとして親しまれていた「石垣いちご」や、朴(ほお)の葉でおにぎりを包み、葉の香りを楽しむ「朴葉おにぎり」など、現在ではあまり見られなくなった山村の食習慣についても詳しく話を伺いました。また、かつて自宅で使用されていた竈(かまど)や石臼なども拝見することができました。

学生たちは、かつての山添村の暮らしに思いを巡らせながら、地域の方々の話に熱心に耳を傾けました。また、家の歴史に関連する資料を出していただき、こうした資料を記録撮影する作業にも取り組みました。

調査結果を共有し、翌日の調査へ

1日の調査が終わると、調査チームは宿に戻り夕食等を済ませた後、個々の調査ノートを整理し、データの共有を行いました。また調査内容や気づきを報告し、ディスカッションを行いました。互いの調査結果を共有する中で、新たな調査課題や方法の改善点について意見を出し合い、翌日以降の調査に生かしました。

最終日には山添村内を巡検し、地域の歴史や文化について現地を歩きながら学びました。

4日間の実習を通して、学生たちは調査の企画・準備から聞き取り調査、記録整理、成果報告まで、一連の民俗調査のプロセスを経験しました。地域の方々との対話を通して、民俗調査に必要な基礎的な知識や技術を身につけるとともに、今後の卒業論文研究にもつながる実践的な学びを得る機会となりました。

天理大学歴史文化学科民俗学コースでは、今後も地域の方々が大切に継承されている祭りや民俗芸能の見学、聞き取り調査など、さまざまなフィールドワークを通して、学生が地域文化への理解を深め、実践的な調査力を身につける学びの機会を提供していきます。

学生コメント

植村空さん(歴史文化学科2年次生・法隆寺国際高校出身)
山添村での聞き取り調査では、住民の方々から貴重なお話を伺いました。情報を引き出したり整理したりすることに苦労しましたが、仲間と協力しながら調査を進める中で、自身の成長を実感できた印象深い経験となりました。

辻深智さん(歴史文化学科2年次生・神奈川総合産業高校出身)
初めての聞き取り調査に緊張しながらも、地域の暮らしや文化について多くのことを学ぶことができました。住民の方々のご厚意で両墓制の墓地や井戸、山の神神事が行われている場所を見学する機会にも恵まれ、民俗学への理解と友人との絆を深める貴重な実習となりました。

阪本忍さん(歴史文化学科2年次生・五條高校出身)
実習では調査の改善点を見つけることができ、今後の学びへの課題も明確になりました。また、神社や伝説の残る地を巡りながら、地域の歴史や文化への理解を深めることができました。

米田匡邑さん(歴史文化学科2年次生・天理高校出身)
初めて訪れた山添村では、美しい大和棟の民家が立ち並ぶ風景が印象的でした。調査を通じて地域独自の食文化や農業、狩猟について学び、多くの発見を得ることができました。今後は聞き取り内容を整理し、理解をさらに深めていきたいと思います。

教員コメント

歴史文化学科民俗学コース 松岡薫准教授

今年の民俗学実習では山添村東山地区を拠点として、山村の食文化と年中行事を中心とした民俗調査を実施しました。山添村での実習は、昨年度の民具整理実習に続き、2年目です。学生たちにとっては、初めての場所で、初対面の年長の方からお話を聞くことは大変緊張することだったと思いますが、みな積極的に質問をし、調査を進めていました。

日々の講義のなかで、様々な民俗事象に関することを話していますが、やはり実際に自分の足で歩き、目で見て、耳で聞いて、得た知識に勝るものはありません。短い滞在でしたが、今後の授業内容への理解もより深まるのではないかと思います。

また、このような実習は地域の方々のご協力なしには行うことはできません。今回の民俗学実習にご協力いただきました山添村の住民の方々、山添村教育委員会、山添モンスーンヴィレッジの皆様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

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