
9月7日、天理大学杣之内キャンパス2号棟において、本学歴史文化学科の天野忠幸教授が、天理中学校2年生約130名を対象に、特別授業「豊臣秀長のまちづくり」を実施しました。
天理中学校では、生徒の学習意欲や理解を深めることを目的に、大学施設の見学や大学教員による特別授業を継続的に実施しています。これまで「国語科」(2024年度~)、「英語科」(2006年度~)で連携授業を行ってきましたが、2026年度からは新たに「社会科」「数学科」「理科」へと対象を広げ、学びの機会を拡充しています。
今回の授業は、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』を題材に、中学2年生の社会科・歴史分野の学習内容に合わせて構成されました。生徒たちは、夏季課題として「豊臣秀長」に関する事前レポートを作成しており、基礎知識を身につけたうえで授業に臨みました。
授業では、日本中世史を専門とし、豊臣秀長に関する研究成果を多くのメディアで発信してきた天野教授が、江戸時代後期の落首「道外武者 御代の若餅」を紹介しながら、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の三英傑について解説しました。当時の人気ランキングを生徒たちに予想してもらう場面では、予想外の結果に驚きの声が上がるなど、楽しみながら歴史への関心を深めました。

続いて、室町・戦国期の大和の様子や興福寺の役割、豊臣秀長が郡山城の整備や城下町の発展に取り組んだ背景について、写真資料を交えて紹介。現在の地名に残る秀長のまちづくりの痕跡や、天理図書館所蔵の「南蛮屏風」を用いて、当時の国際貿易港である堺(大阪府堺市)の様子についても解説しました。



授業の締めくくりには、天理市内にある「櫟本大池」が、1589(天正17)年に豊臣秀長によって築造された池である可能性についても紹介。生徒たちは、歴史上の人物の取り組みが、現在の地域にもつながっていることを学びました。
質疑応答では、生徒たちから秀長の人物像や果たした役割について多くの質問が寄せられ、天野教授が歴史学的な知見や最新の研究状況を交えながら、丁寧に回答しました。


今回の特別授業を通して、生徒たちは専門家による講義に触れ、豊臣秀長のまちづくりが豊臣政権の形成に果たした役割や、天理市との関わりについて理解を深めました。
なお、次回のコラボ授業は、中学3年生を対象に10月30日、11月5日に実施する予定です。国語科の授業として、天理大学附属天理図書館において『古今和歌集』にちなんだ学習を行い、授業後には開館記念展「古今和歌集と伊勢物語」の常設展示室を見学します。
天野教授コメント
授業や教科書と聞くとどうしても身構えてしまい、拒否感が出てしまうと思いますが、そこに書かれていることが自分たちの生活する町や地域のどこに繋がっているのかが、具体的にわかってくると、身近なことと捉えなおし、親近感がでてくるのかなと思います。先人たちの積み重ねの上に、自分たちが生きていることを実感し、学びを深めて貰いたいです。
中学生コメント
中学校の授業では触れられない歴史の背景や、豊臣秀長がどんな思いでまちづくりを進めたのかを深く教えてもらえて、とても勉強になりました。写真や資料を見ながら説明していただいたことで、当時の様子がより具体的に想像でき、歴史が身近に感じられました。