『月刊大和路ならら』8月号の「新大和人物志」第49回は、谷山正道元教授による「浅田松堂」です。松堂は大和で盛んになった「大和絣(かすり)」という木綿の織物を創始した人物といわれています。
松堂は18世紀の初め、御所の問屋の家に生まれました。18世紀中ごろにかけて、御所は南大和の商品生産の中心の一つとして繁栄していましたが、産業の中心は綿作でした。松堂は、収穫しただけの実綿(みわた)を売るだけではなく、木綿の布(絣)を生産・販売するようにして地域の産業のブランド化を目指しました。松堂の始めた絣織の技術はその後発展し、大和国特産品となっていきました。