くずし字が読めなくても大丈夫。写真撮影の経験を積んで調査現場の即戦力に。 2024.07.08 人文学部歴史文化学科在学生の方へ在学生保護者の方へ受験生の保護者・高校教職員の方へ # 歴史学コース# 歴史学実習

皆さんもよく知っているように、AIの発達には目を見張るものがあります。日本史の分野も同様で、くずし字がAIによって解読されるようになってきました。これから日本史を学ぼうという皆さんにとって、くずし字が読めなくてもAIがかわって読んでくれる時代になってくるでしょう。日本史を学ぶハードルが少し低くなってきたわけです。

しかし、AIは、このうえなくわがままです。AIにくずし字を読んでもらうためには、文書の所在を確認し、整理して、さらにデジタルで写真を撮らなければなりません。どんなにAIが進んでも、みなさんが作業する部分はとても多いのです。

歴史学コースでは、史料実習の授業を通して、くずし字の解読、目録の作成、データの入力などのノウハウを身につけると同時に、作業を通して附属図書館の近世史料の公開に協力しています。

加えて、課外でおこなっている文書整理などで、文書を撮影する経験を積めるようにしています。撮影の技術は奥が深く、近年では専門領域として確立し始めていますので、ここでの作業は初歩の初歩でしかありません。しかし、各地で行われている調査では、手間のかかる文書の撮影にはそれなりのニーズがあります。くずし字が全部読めなくても、撮影のスキルを身につけておけば、調査現場での即戦力になれます。

歴史学コースの研究室では、パソコンとデジタルカメラを直接つないで撮影しています。また、低反射アクリル板を利用し、きれいに撮れるように工夫しています。『天理市杣之内町山口文書調査報告書』での解説や口絵などは、このようにして撮影した写真を利用しました。この夏に発行予定の古文書報告書では、お借りした史料の全部を学生が撮影しました。

歴史学コースで古文書を一緒に撮影してみませんか。(幡鎌一弘)

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