こころの健康法(CRADLEより) 2024.05.31 総合教育センター全学教育推進機構人文学部受験生の方へ在学生の方へ

全学教育推進機構、総合教育センターが発行している学生向けニューズレターCRADLEに掲載してきたコラム「こころの健康法」。現在Vol.20まで続いているこのコラムを切り取ってあらためてご紹介。今回はCRADLE第3号(2013年4月発行)に掲載されたコラムです。

なんだか疲れたな~と思った時に、読んでみてはいかがでしょうか。

こころの健康法1-話せる相手をもちましょう!

仲 淳 (総合教育センター)

私たちは 日 々 を 生 き てい く 中 で 、 と き に い ろ い ろ な し ん ど い ことや困ること、あるいはとてもつらくてかなしいことなどにも出会います。そういう時、みなさんはどうされていますか?

自分一人で抱えて耐えて努力して、という人もいるでしょう。気晴らしにいろいろな他のことをする、という人もいるかもしれません。

苦しいことやつらいことの乗り越え方は人それぞれ、そしてその時々だろうと思います。でも、しんどいことがずっと続くと病気になってしまったりすることもあるので、注意が必要です。いわゆるストレスがたまって、ということなのですが、このストレスというものが、実はとても多くの病気の発症に関わっているということが、現在よく知られています。やはり常日頃からの用心は大切なわけですね。

今日はそのような日々のストレスに対処する方法として、みなさんが日々何気なく使っていながら、意外にあまり自覚はしていないという、一つの方法を紹介したいと思います。

それは、「だれかに話を聴いてもらう」という方法です。

え?なんでそんなことが?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの方法はかなりの威力をもっているのです。

「愚痴をこぼす」という言い方をした方がわかりやすいかもしれないのですが、人間は困った時、しんどい時、つらい時、その苦しさをだれかに少しでも受けとめてもらえると、どうもそれだけでちょっと気持ちが楽になる仕組みになっている生き物のようなのですね。「ねえねえ、ちょっと聞いてよー」と言ってバーっと話すとなにかホッとした、という経験はみなさんにもきっとあると思いますし、カウンセリングや心理療法というものも、実は基本的には人間のこの性質を利用したものなのです。しんどさや苦しさをちょっとよそに「こぼす」ことによって、マンパン状態の心の防波堤が決壊してしまうのが防がれるわけなのですね。

ある有名な精神科医のお医者さんは、「話すは離す(放す)である」というふうに言っておられます。人は悩みやしんどさを人に話すと、その悩みやしんどさからちょっと距離を置いて離れることができるようなのですね、どうも。だれかに話を聴いてもらって、「そうなんだあ。それは大変だね。しんどいよね」と言って受けとめてもらえると、人は自然に力が出る生き物なのです、どうやら。

「しあわせは分け合うと二倍、かなしみは分かち合うと半分」という現象が(これはちょっとおおげさかもしれませんが)、どうも心の世界では起こるようなのですね。(僕はこれを「心の共鳴増幅の原理」というふうに名づけてみようかと思っています。)

ですので、みなさんもしんどいことやつらいことがあったら、どうぞ身の回りの「この人なら」という人にちょっと話しかけてみて欲しいと思います。すると少し気が楽になって、ふと気がつくといつのまにかまた前に進む活力が湧いてきていた、というふうになることがあると思いますので。

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさという俵万智さんの短歌があります。寒さも分かち合えば心のぬくもりに変わる、という意味の句だと思います。

しんどい時、苦しい時、つらい時は、分かち合っていきましょう。そして、うれしい時、楽しい時は、ともに喜び合いましょう!

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