国文学国語学科の課外活動 上代文学篇 2024.04.10 人文学部国文学国語学科教育・研究学生生活

各地で、文学踏査

 飛鳥・奈良時代の作品を対象とする上代文学(『古事記』『日本書紀』『万葉集』など)には、天理大学がある奈良県が舞台となっている作品や、ゆかりのある人物が多く登場します。また、全国各地にゆかりのある土地がたくさんあります。上代文学の授業では、課外活動としてそれらの土地をまわる「文学踏査」を行っています。

 2023年度は4年生を中心に、吉野、伊勢神宮、和歌山(和歌浦、白浜など)、当麻・二上山など、行幸が行われた場所、古代の祭祀・信仰に深く関わる寺社仏閣、和歌に詠まれたたくさんの土地をめぐりました。参加は希望する学生のみで強制ではありません。参加者は上代文学のゼミ生や演習の授業を履修している学生が中心ですが、本学の学生であれば誰でも歓迎です。 ただ遊びに行くのではなく、事前にその土地について分担して調べ、パンフレットを作ってから向かいます。仲間の説明を聞き、自らも調べることでその土地と作品への理解がいっそう深まります。

2023年9月19日 伊勢神宮踏査 伊勢神宮(外宮)
散策中には、授業や卒論や就活のこと、趣味や悩みなど、さまざまなことを仲間と語り合います。
2023年9月19日 伊勢神宮踏査 五十鈴川
五十鈴川で禊(みそぎ)をし、身を清めてから伊勢神宮(内宮)にお参りします。
2023年9月19日 伊勢神宮踏査 学生による解説
伊勢神宮にはたくさんのお社がありますが、みなさん一つ一つ丁寧に調べて解説してくれました。
2月29~3月1日 和歌山踏査 和歌浦
2月29~3月1日 和歌山踏査 和歌浦
山部赤人が詠んだ「若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る」について解説。解説を聞いた後では、きっと違った景色に見えるはず。

 参加した学生Mさんは、「伊勢神宮は小学生の時に観光で訪れたことはありましたが、今回は宮や神話を学生たちで解説し合いながら巡りましたので、とても有意義な時間となりました。プライベートで観光や初詣に行く際も、しっかりと下調べしてから行きたいと思います」と言っていました。 また、学生Yさんは「壬申の乱などの歴史については、過去に日本史や大学の講義内で学習する機会はあったものの、自分で概要を調べ、実際に現地へ赴くと見えるものや感じることが全く違い非常に有意義な1日となりました」と感想を寄せてくれました。

 遠出するばかりではありません。毎年秋に奈良公園内にある奈良国立博物館で開催される「正倉院展」にも、教員引率のもと見学に行きます。今年は3・4年生が参加しました。

正倉院展
今年は2グループに分かれて行きました。「タダで先生に解説してもらえてお得♪」と言う学生もいました。
東大寺正倉院
展覧会だけでなく、実際の正倉院も見学しました。11月なのにとても暑い日でした…

 上代文学にゆかりのある土地が、奈良県やその近隣府県にはまだまだたくさんあります。興味がある人は、1年生からでも参加は大歓迎です。

 大学での学びは、教室で座って授業を受けることだけではありません。教員や仲間と現場に行って、奈良にゆかりのある文学について考えてみませんか? 他の地域の大学生には味わえない特別な経験ができるはずです。(人文学部国文学国語学科 大谷歩講師)

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