「国文学演習(上代)」って、どんなことをしているの?
天理大学文学部の国文学国語学科のカリキュラムは、国文学・国語学の両方の分野をバランスよく学べる構成になっています。
今回は、3年次に開講される国文学演習(上代)を紹介します。
国文学演習(上代)では、奈良時代に成立した『万葉集』のさまざまな写本や版本の文字遣いを比較検討する作業をおこないます。
その一環として、天理図書館に所蔵されている『万葉集』の写本(複製本)や江戸時代の版本を閲覧しました。
複製といっても、装丁も大きさも忠実に再現されています。版本は江戸時代に出版されたホンモノです。
和本や江戸時代の版本を触るのはみんなはじめて。ドキドキしながらていねいにページをめくり、自分の扱う歌を探します。
「一人では見ていてもわからないことだらけでしたが、先生や先輩がいっしょにいてくださったので不自由なく時間いっぱい良い体験ができました」と受講生のYさん。
わからないことをみんなで協力して考えるのが、演習の醍醐味です。
「実際の写本や版本を見ると、思っていたよりも大きく、印刷したものでは分かりにくかった細かい部分まで見ることができ、貴重な経験をすることができました」と受講生のFさん。
Iさんは、「巻物を触る事が出来たのはとても良い経験になりました」と言っていました。
天理図書館の職員の方は、「複製本や版本を学生が自由に閲覧できるのは天理図書館の強みです。ぜひ積極的に図書館を利用してください」とおっしゃっていました。
受講生のOさんからは、「時間の都合ですべての写本を見ることはできませんでしたが、天理図書館に行けばいつでも気軽に閲覧できるのは、天大生の利点の一つだと思いました」との声が聞かれました。(人文学部国文学国語学科 大谷歩講師)