「漢文学基礎演習」って、どんなことをしているの?
天理大学文学部の国文学国語学科のカリキュラムは、国文学・国語学の両方の分野をバランスよく学べる構成になっています。
たとえば、1年次には国文学基礎演習・国語学基礎演習といった必修の基礎科目で、それぞれの分野の学びに必要な知識や考え方を学びます。漢文学基礎演習もこれらの必修の基礎科目のひとつ。
天理大学の入学試験では出題していませんが、漢文の知識も文学の研究には必要です。『源氏物語』に漢文の影響がみられるということはよく知られていますし、『舞姫』を書いた森鴎外も漢文の日記を残しています。
では、漢文学基礎演習の授業をすこしのぞいてみましょう。
1年次対象の漢文学基礎演習では、部首をもちいたカルタを使って少々難しい部首の名称を覚えます。
部首がわかると漢字の成り立ちが理解でき、漢字の理解が深まると漢文も理解しやすくなります。
また、大学の授業ではふだん見慣れない旧字体に出会う場面も多いため、旧字体と新字体とを神経衰弱のように組み合わせるゲームをおこない、よく使われる旧字体を楽しく覚えられるようにしています。
まずはこうしたゲームで頭をほぐし、漢文の基礎を学べる素地をつくるよう工夫しています。
なかには高等学校で漢文を習っていない受講生もいますが、こうしたカルタ遊びをとおしてなら漢字に慣れ親しむことができますね。
受講生からは「知識を覚るのに、ゲームを使うというのがよかったです。教職課程を履修しているので、こういう教え方があることも視野に入れていきたいです。」(Uさん)「「ふしづくり」と「疋(ひきへん)」が上手く覚えきれなかった。使われている漢字との関連がみつけられなかったからだと思うので、もっと詳しく調べてみたい。」(Sさん)などの声が聞かれました。
カルタ遊びをとおして、いろいろな「気づき」があったようです。(人文学部国文学国語学科 西野由紀教授)