好奇心のままに…
—なぜ大学院に進学しようと思ったの?
とにかく好奇心があったから、というのが大きいですね。卒業論文では松尾芭蕉を取りあげたんですけど、いろいろと調べていくうちに、芭蕉のあれも知らない、これも知らないとなって、そもそも江戸時代についてもそれほど深く知らないぞ、と。だから、もっと学びたいということで、進学することにしました。
—どうして松尾芭蕉を取りあげようと思ったの?
1年次生の秋に開講されている国文学基礎演習の授業で、各時代のいろいろな作品をとりあげてレポートを作成するという課題がありました。そのうちのひとつに『おくの細道』があって、作品名はもちろん知っているのに、でも内容については何も知らないことに気づいたんです。実際に読んで、結局、これは何のために書かれたんだろうと疑問に感じました。それをきっかけに、芭蕉作品のおもしろさに惹かれていきました。
大切なのは精神力
—教員免許も取得したけど先生はめざさないの?
国文学国語学科で国語科の教員免許を取得できるのは魅力です。教員になっても好奇心を満たすことはできるんだと思います。でも、自分が知らないことを知りたいという気持ちと、知らないことがある自分が人に教えるということに、折り合いをつけるのは難しいと感じたんです。教員になると、たぶん松尾芭蕉の研究は続けられないだろうと。
—どうして進学先を選んだの?
大学院では松尾芭蕉について研究したい。だから、どのような研究があるのか、いろいろな論文を読んだんです。そのなかに、おもしろいと感じる論文をみつけました。その論文を書いた先生のもとで学びたいということで、京都大学大学院を選びました。
―大学院をめざす後輩にアドバイスはある?
過去問集を入手して対策するのは大前提ですが、いちばん必要なのは精神力だと思います。
大学院入試の面接では卒業論文をもとにいろいろと質問されるのですが、かなり辛辣な批評をうけるんです。ちょっと泣きそうになるんですけど、とにかく笑顔で対応しました。ただ、最後には「天理大学、いいなぁ」「図書館の蔵書数は素晴らしいし、うらやましい研究環境だよね」って声をかけられました。
受験生へのメッセージ
天理大学の魅力は、たとえば、大学院入試で他大学の先生からお褒めのことばをかけられるような環境が整っているところにあります。みなさんも、自分の好奇心を満たすことのできる環境で学んでみませんか。