留学体験記 ブラジル・パラナ連邦大学 2023.06.20 国際学部外国語学科国際体験留学体験者の声 # 留学体験者の声(ブラジル)# ブラジルポルトガル語コース

スペイン語・ブラジルポルトガル語専攻 4年次生 橋本しな乃

ブラジルの授業

私は、2022年2月から2023年3月までの1年間、海外交流協定校のパラナ連邦大学に留学しました。留学先の大学では、日本文学学科に所属したので、日本文学や日本史といった日本文化に関する科目を履修しました。

日本文学では、ブラジルで有名な日本の作家を取り上げて日本文学の特徴について講義する授業がありましたが、私の知らない作家がほとんどでした。というのも、講義で取り上げられた日本の作家は、日本国外で作品を出版した作家あるいは翻訳された作品が多く、日本ではあまり知られていないからです。私は、日本人であるにも関わらず日本国外で活躍した日本の作家を知らなかったことに気づきました。

日本史の授業では、明治から現代までの歴史を学びました。私が日本の中学校や高校で学んだ歴史を、改めてポルトガル語で学ぶのはとても面白かったです。特に面白かったのは、翻訳される言葉の選択によって、史実の意味合いが微妙に変わってしまうということです。単に文字通りに翻訳しても、日本独自の文化はブラジル人に伝わりにくいのかな、と思いました。そのため、私は、日本文化とブラジル文化についてしっかり学んだうえで自分の言葉で説明することがとても重要になると思いました。

他には言語学の授業も履修しました。その授業では、ブラジルで活躍する政治家、著名人、社会問題に対して発言する人の演説や論文などから、いくつかの文章をピックアップして考察しました。ブラジルでは、同じ文章でも読み手の社会的地位や生活環境などによってその文章の解釈が別のものになることがとても興味深かったです。

語学教室で

大学の授業がない時間には、語学学校でポルトガル語を勉強しました。私のクラスには、フランスやイタリアなどの欧米から来た人、カタールやフィリピンなどのアジアから来た人、ペルーやベネズエラなどの南米から来た人たちがいました。語学学校の授業のスタイルは、日本の授業スタイルとは違い、様々な事柄についてのディスカッションやプレゼンテーションが多かったです。

語学学校で授業を受け始めたばかりの頃、私は自分のポルトガル語に自信がなく、クラスメートが発言したことにただ同意することしかできませんでした。一方、他のクラスメートはどれだけ文法、動詞の活用、発音を間違えていても、自分の意見を堂々と言っていました。私はその姿に刺激を受け、自分から発言し、徐々に授業中のディスカッションに積極的に参加できるようになりました。語学学校では、自分自身の語学力の向上だけではなく、コミュニケーション能力もより一層身につきました。

留学を経験して

大学での授業以外に半年間、日本語学校でインターンシップに参加しました。それまで日本語を外国人に教えた経験がなかったため、大変なことばかりでした。日本語学校の生徒は、本当に日本文化が大好きで、私よりも日本文化に興味を持っていました。授業中、私は生徒から日本文化に関する質問をされ、つたないポルトガル語で説明しました。しかし、私は、日本文化についてあまり知らなかったため質問に答えられない時がありました。日本文化についてもっと勉強しておくべきだったと後悔しました。それと同時に、自分の語学力不足も痛感しました。

今回の留学経験を通して、自国文化についての無知さやコミュニケーション能力の重要性に気づかされました。これから、ブラジル文化と日本文化に関する多くの知識を得て、ポルトガル語の勉強も精一杯頑張りたいです。また、自分自身の留学経験を伝える機会を作り、多くの人にブラジル文化やポルトガル語を好きになってもらいたいです。将来、ブラジル文化だけではなく自国文化を大切にしながらポルトガル語を一つの武器として国内外で活躍したいです。

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