2022年は歴史文化学科歴史学専攻(現、研究コース)が誕生してから30年の年でした。そこで、歴史学専攻(研究コース)の教員・卒業生によって構成されている天理大学史文会の機関紙『史文』25号は、30周年の記念号といたしました。そこに寄稿された卒業生からのメッセージを転載いたします。
「30周年に寄せて」 仁ヶ竹 亮介
本年は歴史文化学科歴史学専攻(現研究コース)が誕生して30年の節目の年であるとのこと、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
思い起こせば、卒業してから早24年。学生時代は本当によい思い出ばかりです。学科、サークル、寮などの仲間たちとバカをやってばかりでしたが人生で一番楽しい時期でした。4年間は正に「あっ」と言う間で、色々なことを学びました。しかし、今の学生さんは、約3年前から新型コロナウイルス感染症が蔓延しているので、大切な学生生活の多くがそのために犠牲になっていると思います。大変な時代ですが、精一杯「今」を楽しんで頂きたいと思います。学生時代の経験は人生における「宝」となる大切なものになるはずです。
私は学生時代、谷山先生から古文書解読の楽しさ、魅力を教わりました。当時はまだ正規授業ではなく、課外ゼミを開いていただき、種々ご教示頂きました。約20年ぶりの新採のタイミングで、本当に運よく地元の博物館学芸員となることができましたが、今でもその大きな恩恵にはどれだけ感謝してもしきれません。博物館資料を収集、調査、展示する際には、古文書解読の経験が大いに役立っています。また、私が先生に教わった古文書解読の楽しさ、古文書の魅力を少しでも多くの人にお伝えしたく、2011年頃より地元の歴史民俗資料館主催の古文書講座の講師を務めさせていただいております。翌年からは勤務先でも古文書講座を開講し、講師をしています。初心者向けとしているものの、毎年毎回テキスト選びや翻刻、内容の調査などかなり大変で、多くの時間がかかっています。講座中、何度も冷や汗をかいております。今にして谷山先生のご苦労がわかりました。しかし、その講座では当時先生から教わったことを大いに参考(パクリ?)にさせて頂いております。しかし、当時私が感じた楽しかった時間は、今到底再現はできておりません。あれは正しく先生のお人柄が醸し出す雰囲気があってこそだったんだなとつくづく思います。
古文書講座の他にも郷土史関係の講演講師もよく頼まれております。受講生の方々に古文書の重要性やそこから分かる歴史の魅力などをお伝えできるように、そして少しでも私も先生に近づけるように、日々の業務に邁進していきたいと思っております。(1997年度卒業、富山県・高岡市立博物館)
歴史学研究コース(旧専攻)からのお願い
歴史文化学科歴史学専攻(現、研究コース)は、1992年(平成4年)4月に開設され、2022年(令和4年)、30周年となりました。卒業生の皆さんの学生時代の思い出や近況を rekisi[○]sta.tenri-u.ac.jp までお寄せください([○]は@)。お待ちしております。