本学人間学部・関本克良教授が企画した「共同研究会」が、今年度春学期、4月27日から7月6日まで(木曜日5時限目)開講されました。
「共同研究・起業家育成プロジェクト」と題したこの研究会では、若手起業家の株式会社PLOWNOW代表取締役の安井元汰さんを講師として招き、起業に必要な基礎知識の学習から事業計画書の作成、そして実演形式のプレゼンテーションなど、全10回にわたって開講されました。
参加学生の感想
最優秀賞 後藤 幹弥さん(韓国・朝鮮語専攻 2年・建国) 企画「韓国語オンラインスクールKorean Bridge」
私は、今まで自分の中で「してみたい」「興味がある」で終わっていたことが多くありましたが、この起業家育成プロジェクトを通して、「してみたい」を「する」に変えるということや新しい価値を創造することを学びました。
当初、私は韓国語を話せるということから韓国語スクールを作りたいと思っていましたが、いざ形にしようと思うと具体性やニーズが曖昧で、既存のものとどのように差別化を図るのか、どうやって新しい価値を見出すのかということに難しさを感じました。
しかし、このプロジェクトを通して、自分のビジョンを持って事業計画書を作るところまで成長することが出来、私の韓国語スクールは「今と将来を繋ぐ教育を」をビジョンとしました。私は教育分野に関心があり、若い世代へ将来の夢や希望を与えたいと思い、このようなビジョンを持ちました。この韓国語スクールは、ただ韓国語を教えるだけでなく、留学、就職までサポートし何度でも挑戦すること事の出来る環境を作ります。
私は、将来、日韓関係を繋ぐ天理大学を代表できる起業家になり、人から必要とされる新しい価値を提供出来る人になりたいです。
佃 柚希さん(中国語専攻 2年・枚方津田) 企画「中国語塾プロジェクト」
私は友達に誘われて今回の起業家育成プロジェクトに参加しました。起業したいとは思っていましたが、いつ始めるといったようなことは何も決めておらず、企業プランを一から考えるのは正直とても難しかったです。
プロジェクトでは、自分が一番何をしたいのか、そのためにはどうすればいいか、何が足りていないのかなどを考えることが多く、自分の考えが変わることも何度かありました。
授業では、起業された方の話を実際に聞き、起業とはどういうことかなど基礎知識を詳しく教えていただきました。大学の授業は先生の話を聴くことがメインのものが多く、自分で考えて動くという授業は私にとってとても新鮮で面白かったです。
中間発表では、フィードバックを沢山していただきました。また、授業外でも相談にのっていただくこともありました。
最終発表の時は、自分なりの最高のプランができたと思います。起業家育成プロジェクトを通して成長出来、起業に対する考え方も自分の中で変わったと思います。授業を通して学んだことを生かせるように、これからの大学生活を過ごしていこうと思います。
山崎 唯梨香さん(国文学国語学科 4年・倉吉北) 企画「Animal Protection Project」
今回の起業家育成プロジェクトでは、実際に起業された方の話を聞き、その方から経営をしていく上での基礎知識を教えていただきました。さらに、教えていただいた基礎知識を生かし自分でプロジェクトの事業プランを作成し発表するなど、とても貴重な体験ができました。
プロジェクトの事業プランを作成するのは本当に難しく、試行錯誤しながら完成させ、中間発表の際にはたくさんのフィードバックをいただくことができました。最終発表の際には中間発表のフィードバックを生かし、自分の中で最高の事業プランができたと思っています。
この起業家育成プロジェクトを通して、今の私に何が必要なのか、これから何をしていくべきか等をはっきりさせることができ、改めて起業に向けての覚悟と決意がかたまりました。起業家育成プロジェクトで自分自身も成長できたと思っています。この貴重な体験を生かし起業に向けて日々精進していきます。
起業家育成プロジェクトの共同研究スタッフからの感想
株式会社PLOWNOW 代表取締役 安井元汰
今回、講師を務めさせていただきました安井元汰です。初めての試みでいろんな出来事がありましたが、ひとつ言えることがあります。それは、可能性は無限大であるということです。私自身も何の特徴もない人間から現在の起業家になったこともあり、今回参加してくれた学生は可能性が無限大だということを証明してくださいました。普通の授業では学べないそんな学びを届けていきたいと考えています。社会にインパクトをこれからも残るようなものを天理大学さんと共につくっていけると非常に嬉しく感じた期間でした。
株式会社PLOWNOW ACC online school校長 塩出舟之(地域文化学科4年・大阪偕星学園)
今回の起業家育成プロジェクトでは、企画側として参加学生と自らの想いや社会で実現したいことを話し合い、プロジェクトを通じて参加学生のビジョンが形になり、大学生活の中でビジョンが実現し、進み始めるのを感じました。参加した学生が、この現実社会で自分のやりたいことを表現し、未来を描けた瞬間に立ち会えることができ、とても素晴らしいプロジェクトでした。天理大学生の中でも自らの想いを形にして大学生活そして未来にワクワクする天理大学生をこれからも増やすことができれば嬉しいです。
代表研究者関本克良(人間関係学科社会福祉専攻教授)
今回の共同研究・起業家育成プロジェクトの目的は、キャリア教育の一環として既存企業への就職のみでなく、大学等高等教育機関で学んだ専門知識を生かして自ら起業を選択するための実践的教育の機会を提供するための研究を行うことにあります。
一般的に学生は内定した企業の業務内容に合わせて就労しますが、その際、大学で学んだ専門知識を実社会で生かすことができない場合が少なくないと思います。自らの専門知識を生かし、自らが社会貢献したいと考える分野での就労を実現するために、起業という就労経路があることを一つの機会として捉えることの妥当性と可能性は、積極的に研究し実践する価値があるテーマです。
また、本教育研究活動は、学生が自ら貢献したい分野で就労できる可能性につながるため、大学生の学習意欲の向上につながるという意義があります。来年度以降もこうした起業家育成授業を継続して実施していきたいと考えています。