2026年6月、天理大学で「車いすスポーツ体験会」が開催され、26名の学生が参加しました。企画・運営の中心となったのは、「天理アダプテッドスポーツサークル」を立ち上げた木村豪志さん(人文学部社会福祉学科1年次生)、当日のコーディネートを担われたのは、車いすスポーツの指導者である糸賀亨弥さん(宗教学科OB)です。お二人に、活動にかける思いや今後の展望についてお話をうかがいました(インタビュアー:北垣智基/社会福祉学科教員)。
「知ってほしい」という思いから始まった活動 ― 木村さんへのインタビュー
― まず、この活動を始めたきっかけを教えてください。
木村:もともとラグビーをやっていて、スポーツ自体がとても好きだったんです。でも怪我をしたことがきっかけで、車いすスポーツの世界にふれることになりました。実際にやってみると純粋に楽しくて、同時に「こんなに面白いのに、世の中にはあまり知られていないんだな」ということも痛感したんです。だからもっと多くの人に知ってほしいと思うようになりました。そんな時に「車いすスポーツを社会へ発信する取り組みについて、一緒に考えませんか?」とオープンキャンパスで声をかけてもらって、「やってみたい」と思ったのが活動の始まりです。
― 当日の感想を聞かせてください。
木村:思っていたよりも多くの方が参加してくれて、本当に嬉しかったです。できる限り参加者一人ひとりとコミュニケーションを取ろうと動いていたつもりですが、正直まだまだだったなという反省もあります。それでも、車いすで遊ぶという非日常の時間を楽しんでもらえたのではないかと感じています。
― 今後の目標を教えてください。
木村:僕自身の思いとしては、「アダプテッドスポーツをきっかけに、車いすの世界にふれてほしい」ということがあります。自分がその入り口になれたらいいなと思っています。ただ同時に、この体験を「非日常のイベント」で終わらせてしまっては意味がないと思っています。これからも色々な人に声をかけ続けて、関わってくれた人たちが将来なんらかの形で車いすの世界と関わり続けてくれたら嬉しいですね。

「アイデアを生み出せる人へ」―糸賀さんへのインタビュー
― 当日はどのような内容で進められたのでしょうか。
糸賀:車いす操作に慣れてもらうことを目的に、「鬼ごっこ(しっぽ取り)」と、スラロームや回転を取り入れた「リレー」を行いました。リレーのコース構成は木村くんが担当したのですが、とても良く考えられたコースで、参加者のみなさんに楽しんでもらえたと思います。素晴らしい出来でした。
― この活動にはどのような意義があるとお考えですか。
糸賀:活動への参加を通じて、性別、年齢、国籍、身体の状態などの違いに関わらず、たくさんの人と出会い、コミュニケーションを取りながら様々なことに気づき、感じ取っていく。そして、それを一緒に活動する仲間と話し合うことによって、人だけでなく、人を取り巻く環境や社会に対しても「アイデア」を生み出せる人へと成長していけるのではないかと思っています。
― 今後の展望を聞かせてください。
糸賀:体育館などの活動場所を定期的に確保することが必要です。その上で、アダプテッドスポーツフェスのような地域との連携イベントに加えて、小中学校での「車いすスポーツ」体験授業も実施していきたいですね。活動を支えてくれるスポンサーの確保も必要だと感じています。将来的には、全国、そして世界中でアダプテッドスポーツに取り組む学生を天理に集めて、全国大会や世界大会のようなスポーツイベントを開催できたらと考えています。

インタビューを終えて―「福祉×スポーツ」の可能性
天理大学社会福祉学科では、「福祉×〇〇」という観点から、福祉に様々な要素を掛け合わせ、新たな学びや社会的実践の可能性を探っています。その一つが「福祉×スポーツ」です。「福祉」と「スポーツ」が掛け合わさることで、何を生み出すことができるのか。これからの「天理アダプテッドスポーツサークル」の活動にご期待ください!