「今回の古文書目録の新知見は?」「直三さんの業績から今日の農業に期待することは?」(記者さんの質問です) 2024.12.16 人文学部歴史文化学科教育・研究社会連携 # 歴史学コース

歴史文化学科歴史学コースでは、授業・課外の場を通して地域の文化財の記録・保存に資する人材を育成してきています。学生と一緒に整理した成果として、天理市内外の古文書目録を発行し、今回の『天理市永原町中村直史家文書調査報告書』は9冊目になります。12月12日、中村様のご厚意で、ご自宅をお借りして新聞社(2社)に目録の発行を報告しました。

すでに多かれ少なかれ知られている史料であり、「新知見」には乏しいのが正直なところです。とはいえ、「日本三老農」のひとりである中村直三関係の歴史資料古文書が700点余りあったこと、農事改良のほか、地域を豊かにするために宇陀川分水など各種の建言を重ね実行していたこと、先哲慰霊祭の挙行などが特筆すべきことと思います。

日本の農業の先行きは難題ばかりですし、直三の時代とは大きく異なりますが、世の中を豊かにしたいという大きな目標のもと、自ら立ち上がって、多くの人とネットワークを作り、農業全体の底上げをはかった中村直三の手法には学ぶところが多いと思います。十分読み解けていませんが、秋田・宮城へ行った際の日記は、直三の農業にかける熱意やネットワークづくりがうかがえます。(幡鎌一弘)

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