中村直三関係文書の全貌が明らかになりました。 2024.12.04 人文学部歴史文化学科教育・研究社会連携 # 歴史学コース

現在の天理市永原町で生まれた中村直三は、「明治三老農」の一人に数えられる、日本を代表する農事改良家です。幕末から明治にかけて、農業生産力を向上させることで人々の生活を豊かにしていくことを目指し、全国各地の農事改良を志す人々とつながって、大きな成果を生み出しました。

中村直三の顕彰は没後すぐに始まり、伝記が編まれ研究も数多く出されてきました。しかし、これまで中村家に残されている直三関係文書の全貌は明らかになっていませんでした。谷山正道元天理大学教授は澤井廣次天理図書館司書(歴史文化学科卒業生)とともに同家文書の悉皆調査を行っていました。その調査を歴史文化学科の幡鎌一弘教授と学生が引き継ぎ、目録を完成させました。あわせて全史料を撮影しています。

史料は全943点(直三関係は702点)。直三が藩や県から任命された各種辞令、褒賞、農事に関する書類、各種の建言書、各地の老農との交流を示す書状などがまとまって残っています。各地から集められた「稲種」や直三の遺品、安本亀八が作った直三夫婦の像など、いずれも「歴史資料」として貴重なものです。

この目録の作成には学内助成「天理市内の古文書の調査と研究」の交付を受けました。歴史文化学科では今回を含めて9冊の文書目録を学生と共に作成し、地域の文化財の保存と活用に協力してきました。今後とも、この活動を継続していきたいと考えています。(幡鎌一弘)

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