8月11日・12日の両日、天理大学杣之内キャンパスを会場に「日本看護歴史学会」による「第38回学術集会」が開催されました。
「日本看護歴史学会」は、1987年、広く看護の歴史を探究すること、そのための人的、知的交流を図ることを目的として設立され、年に一度、学術集会を開催しています。
第38回目となる今回の学術集会は「未来に向けて歴史をつなぐのは今」とのタイトルで開催され、天理大学が協賛、屋宜譜美子副学長が学術集会長をつとめました。また、医療学部教員や天理よろづ相談所病院職員、医療学部生たちが事前準備や運営など様々な役割を担って学術集会を支えました。
初日、天理大学ふるさと会館にて開会式が行われ、天理市並河健市長のほか、本学の永尾比奈夫学長、奈良県看護協会 春木邦惠会長、奈良県看護学教育協議会 杉元佐知子会長、本学同窓会ふるさと会 太田登会長が挨拶を行いました。
開会式の後、同館で屋宜副学長による学術集会長講演「看護基礎教育テキストにみる看護歴史研究の影響」が行われました。
冒頭、屋宜副学長は「8月8日の宮崎県日向灘を震源とする地震や南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発表中など大変な状況の中、皆さま方の支えのもとで今大会が開催できたことに感謝いたします」と述べました。
講演では、様々なテキストの扉には、それらを監修した人たちの思いが書かれていることを紹介したほか、これまでの看護史研究の歩みやこれからの看護史研究の目指すところについても述べました。
続いて、日本赤十字看護大学名誉教授・健和会臨床看護研究所所長でもある川嶋みどり氏による記念講演「確かな看護の軸足を未来につなぐ」や、市民講座なども開催されました。
また、本学杣之内キャンパス2号棟では、ランチョンセミナーの後、一般演題(口演)や理事会セッション、企業展示や物販も開催されました。
学術集会2日目は、2号棟をメイン会場として、一般演題(口演・示説)や交流セッション、教育講演、パネルディスカッションが行われました。
教育講演は本学教員が担当し、それぞれの研究分野だけでなく、本学の特徴的な教育内容なども紹介しながら、以下のタイトルで講演を行いました。
人文学部歴史文化学科 齊藤 純教授 「ジャンジャン火の民俗学的研究」
人文学部 山本 佳世子准教授 「スピリチュアルケアと看護・医療の歴史の交点」
人文学部社会福祉学科 深谷 弘和准教授 「天理教による医療・教育・社会福祉の諸実践の歴史からみえてくるもの」
続いて、本学医療学部看護学科 鈴木紀子特任教授の進行のもと、パネルディスカッション「地域・学問・職種をつなぐ」が開催され、全国各地より今回の学会に参加した方々からの感想や意見について、本学教員たちが丁寧に回答しました。
2日間にわたって豊富なプログラムで行われた日本看護歴史学会「第38回学術集会」は、閉会式をもって和やかに幕が閉じられました。