天理大学・大塚製薬株式会社・天理市による「熱中症対策啓発ポスター」共同制作発表 2024.07.17 総合教育センター受験生の方へ受験生の保護者・高校教職員の方へ6つのCONNECT地域社会とつながる学生同士がつながるビジネスとつながる

天理大学の教職課程を履修している学生有志9名が、7月3日、7月9日、7月10日に天理市内公立中学校に対して、熱中症対策の啓発活動として、出前授業の実施、および啓発ポスターの掲示を行いました。

この活動は、天理大学がそれぞれ包括連携協定を締結している大製薬株式会社、天理市との産官学連携による取り組みで、プロジェクトは4月に始動しました。

天理大学と大製薬株式会社が締結した包括連携協定では、熱中症対策に関する取組みが主な項目として掲げられており、これまでも熱中症対策の啓発活動が学生に対して推し進められてきました。

こうした活動の中で、大製薬株式会社から寄せられた情報として、「奈良県内の若年層の熱中症救急搬送者数が全国的にも多い」ことに着目。天理大学からの提案として、熱中症対策の周知を大学生だけに止めず、大学生が情報発信する側に立って、天理市内の児童生徒を含む地域の健康増進に寄与できないかと大塚製薬株式会社、天理市に相談しました。

3者での相談の結果、産官学連携による「熱中症対策啓発ポスター」の制作、および天理市内公立中学校への熱中症対策の出前授業実施が決定し、プロジェクトが始動しました。

天理市内公立中学校に対して出前授業を実施することから、4月上旬、本学で教職課程を履修している学生を中心にこのプロジェクトへの参加を募ったところ、9名の学生から応募がありました。

5月15日、参加学生9名は、大製薬株式会社が主催する「熱中症対策アンバサダー講座」をオンライン試聴して熱中症対策の知識を修得し、啓発ポスターの素案作りを行いました。講座を視聴して得た情報の中から、熱中症対策につながるキーワード出しが行われ、そのキーワードを基に、キャッチコピーが考えられました。

学生らは、奈良県と言えば「鹿」というイメージで一致したことから、「シカないやん」というコピーを中心に定め、「冷やす」「飲む」「休む」といった熱中症対策の三つのポイントを絡める構成で素案作りがまとまりました。

続いて学生らは、6月10日、自らがモデルとなり、ポスターの写真撮影に臨みました。学生らはキャッチコピーからイメージできるシチュエーションを話し合ってイメージを固め、撮影した写真がそのイメージに合うかを確認しながら、制作を進めました。

学生らが作ったキャッチコピーと学生自らがモデルとなった写真をもとに、制作会社にデザインを依頼し、6月中旬から下旬にかけて行われた構成確認にも学生たちが携わり、「熱中症対策啓発ポスター」が完成しました。

また学生らは、天理市内公立中学校への出前授業に向けて、二人一組のペアで、パワーポイントの資料作成を開始しました。資料作成にあたり学生らは、あらためて「熱中症対策アンバサダー講座」を受講し、アンバサダーの資格を取得。大製薬株式会社から提供された資料をベースに、それぞれでアレンジを加えながら、授業で使用するパワーポイントを事前に作成しました。

出前授業は、7月3日に天理市立西中学校でオンライン実施、7月9日に天理市立福住中学校で対面実施、7月10日に天理市立北中学校でオンライン実施によって行われました。

いずれも完成したポスターに加え、生徒への配布用として同デザインのチラシも持参して出前授業が行われました。

天理市立西中学校(7月3日)
天理市立北中学校(7月10日)

7月9日に行われた天理市立福住中学校では、全校生徒に対して対面で出前授業が行われました。学生らは自身で作成したポスターやパワーポイント資料を用いて、中学生らに熱中症対策で大切なポイント3つを分かりやすく説明しました。

加えて、熱中症は屋外の部活動だけでなく、登下校中や休み時間の外遊びなどでも発症する可能性があることも伝え、「自身の体温がいつもより熱くなったり、友達の顔色がいつもより赤くなったりなど、普段とは異なるサインがあった時は躊躇することなく休んでほしい」と中学生たちに訴えました。

3ヶ月にわたるプロジェクトの集大成として、7月12日、天理市役所4階特別会議室において、天理大学・大製薬株式会社・天理市による「熱中症対策啓発ポスター」共同制作発表、および出前授業の報告会が、奈良県内の報道各社を招いて実施されました。

啓発ポスターの制作発表が、大製薬株式会社、天理大学の関係者から行われた後、学生らによる天理市内公立中学校への熱中症対策の出前授業について、参加学生の山本あんりさん(体育学科3年・香ヶ丘リベルテ)と駒香里さん(体育学科3年・創志学園)が報告を行いました。

山本さんと駒さんは、このプロジェクトに参加したきっかけを述べた後、中学生の「目に留まる」キャッチコピーを作ることを大事にし、そして、伝えたいことをどうやって写真で表現するかを皆で試行錯誤したエピソードも話しました。 駒さんは、「出前授業では、乳幼児や高齢者以外にも奈良県は少年が熱中症で救急搬送される割合が高いことにポイントを絞って説明した」と報告しました。

報告を受けて、並河市長は、「中学生と年齢の近い大学生が熱中症対策について出前授業を行うというのは非常に価値があると思う。継続して熱中症対策を行うことが大事なので、インパクトのあるポスターとともに中学生たちに知識としてインプットできたのではないか」と感想を述べました。
また、天理市教育委員会山口忠幸教育次長より、出前授業を行った中学校から、ポスターは親近感があり授業も非常に好評だったとの報告がなされました。

天理大学では、引き続き学生に対して熱中症対策の啓発活動を続けるとともに、社会貢献の一環として、地域への啓発活動も併せて継続していきます。

「熱中症対策の啓発活動」プロジェクトに参加した学生は、以下の通りです。

山本 あんり(体育学科3年・香ヶ丘リベルテ)教職課程履修
駒 香里  (体育学科3年・創志学園)教職課程履修
藤原 千奈 (体育学科3年・大阪商業大学堺)教職課程履修
出野 稔枝 (体育学科3年・枚方)教職課程履修
中平 陽菜 (体育学科3年・田辺)教職課程履修
城島 千洸 (体育学科3年・桜宮)教職課程履修
新子 柚月 (体育学科2年・八尾翠翔)教職課程履修
小寺 璃紅 (体育学科1年・枚方)教職課程履修
山下 さやか(体育学科1年・桜井)教職課程履修

天理市内の中学校へ出前授業を行った学生は以下の通りです。

天理市立西中学校  7月3日(水) :中平 陽菜、新子 柚月
天理市立福住中学校 7月9日(火) :山本 あんり、駒 香里
天理市立北中学校  7月10日(水) :小寺 璃紅、山下 さやか

関連リンク

ページ先頭へ