先月に引き続き、中国文化研究会は2024年度公開研究会を開催致しました。
前回の研究会の様子は、こちら。【中国語学科】中国文化研究会が2024年度第1回公開研究会を開催しました | 天理大学 (tenri-u.ac.jp)
天理大学中国文化研究会では、最近の中国における学術分野の情報共有を目的とした研究会も開催してまいりました。2024年度第2回中国文化研究会(2024年7月9日火曜日4時半から6時 第二会議室)では、中国の西北大学文学院の郝潤華教授に「天理図書館の善本漢籍について―唐詩別集を中心に―」というテーマで講演をお願いしました。郝潤華教授は、中国歴史文献研究会副会長・中国杜甫研究会副会長・韓愈研究会副会長を務められており、2023年9月から一年間の予定で、天理図書館の漢籍調査のために訪日されておられます。今回の講演は、その成果の一端をお教えいただく貴重な機会となりました。
なかでも天理図書館所蔵の30種類の唐代別集一つ一つの価値を検証され、とりわけ我が国の国宝にも指定されている南宋本の『劉夢得文集』が、中国でもその全集制作に大きく貢献していること、世界に天理図書館しか無い『趙志集』が唐詩を別の角度から研究するうえで極めて有用なこと、五山版の『五百家注音辯昌黎先生文集』が、宋本に基づいたもので、学術的に価値の高いものであることを詳しく述べられました。
最後に、このように価値のある漢籍を、全国漢籍データベースに入れて、デジタルデータを、全世界の漢籍研究者が利用できるようにしてもらいたいと、天理図書館に対して切望されました。
当日は、天理図書館から漢籍担当の先生方も聴講に来られて、学生を含めて十数名の参加者がありました。なお、発表はすべて中国語でなされ、郝教授の受け入れ先の奈良女子大学・言語文化学科の大平幸代(おおひら さちよ)教授が通訳をしてくださいました。
(中国語学科・中純子教授)