医療学部が「まちの保健室」を開催 2023.10.20 医療学部看護学科臨床検査学科社会連携地域・企業との連携

10月14日、天理大学医療学部は天理駅北団体待合所で「まちの保健室」を開催しました。この取り組みは2019年度より医療学部の学生有志を募り、社会貢献活動として行われてきました。2021年度からは授業の一環となり、学びの成果を地域に還元する機会にもなっています。

学生たちは授業内で天理市民の健康状況や健康教育の理論などを学んだうえで、出展するブースをグループごとに企画し、開催後には振り返りや評価も行います。4回目の開催となる今回は看護学科と臨床検査学科の4年生計101名が地域の方々へケガや病気を予防する生活やストレス解消、健康相談などのヘルスケアのコツを紹介しました。

当日は、看護学科による骨健康度測定やフードチェック、脳トレ体験、災害時のそなえなどの10のブースと、臨床検査学科によるPCR検査体験、肺機能検査などの4つのブースのほか、天理市保健センターや天理よろづ相談所病院看護部などの協力も得て、より地域住民に寄り添った健康相談やがん検診の啓発も実施。多くの来場者で賑わいました。

看護学科のコラージュづくりのブースは、小さな子どもたちに人気を博しました。スマホ依存に陥りがちな現代の子どもたちに向けて、手を動かして好きなイラストを切り貼りすることで気分転換と自己表現に取り組んでもらおうという試みです。参加したお子さんから「スマホより工作の方が好き。上手に作ることができた。」という声も上がり、学生らも笑顔で対応するなど和やかな雰囲気に包まれました。

また、臨床検査学科の顕微鏡観察のブースでは血液標本や細菌、組織標本を実際に見られることから幅広い年代の来場者が集まりました。昨年度に続き二度目の来場のお子さんはマンガや図鑑の影響で細胞に興味を持ったと言います。「染色された細胞を観察したり、赤血球や白血球、血小板を見られたのが面白かった。」と話し、保護者からは「学生さんが熱心に教えてくれて頼もしかった。」と好意的な声が聞かれました。

その他、臨床検査学科では患者さんへ症状や治療に関する説明を行う際の実践練習として、生活習慣病や心臓の働きなどの展示も実施。掲示物を見ながら来場者へ解説を行いました。

看護学科の東真理准教授は「これまで以上に多くの方々に参加していただけた。市民の皆さんに医療学部の学びや健康増進、ケガや病気の予防に関する知識を知ってもらえたのではないかと思う。半年後には社会へ出る4年生たちが地域の中で自らの成果を実践する良い機会となった。」と言い、今後も地域の中で社会貢献を行っていく旨を語りました。

医療学部 鈴木あゆみさんコメント(天理・看護4年)
「災害時のそなえ」のブースで防災バッグの必要性や避難経路、避難場所を紹介しました。防災マップを作る際には天理市全体のマップがなく、地区ごとのマップをつなぎ合わせて制作しました。災害発生時、必ずしも自分の生活エリアにいるとは限らず、隣接する地区の避難所の方が近い場合もあるため、天理市全体の防災マップを皆さんに知っていただくきっかけになれば嬉しいです。
地域の方々とふれあいながら学びを実践できるのは私たちにとってありがたく、地域の健康増進のためにも天理大学医療学部にはこのような取り組みを続けていく使命があると感じました。この経験を活かし、卒業後は天理市内で看護師として働きます。将来的には緩和ケアや終末期医療に携わっていけたらと考えています。

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