一過性では、終わらせない。地域活性化に必要なものは、地道な作業の結晶?

奈良県最長の商店街である、天理本通り商店街。
天理のシンボルをもっと元気にする方法を考え、授業を通じて取り組む学生がいます。

今日のナビゲーターは、人間学部人間関係学科生涯教育専攻の瀬川芹華さんと和田恵歩さん。
天理本通りマルシェ「本ぶらサンデー」への取り組みを通じ、どんな"DISCOVERY"があったのか聞きました。

※学生の学部学科専攻等の所属表記は、入学当時の名称となります。

天理駅前から約1km延びる天理本通りには約180もの店舗があり、お店も本や文具から飲食までさまざまです。
買い物をする地域の人や自転車の天理大学生が通り過ぎる商店街は、のんびりとした昔ながらの雰囲気が魅力です。
一方で、実際にお店をかまえる人が感じている課題もあるそうです。

全長が長いからこそ、奥までお客さんを呼び込むことが難しいといった課題や、もう少し商店街全体を明るく元気にできないかという思いがあるそうです。そこで商店街の皆さんを中心に実行委員会が立ち上がり、「本ぶらサンデー」が開催されるようになりました。天理時報社や天理大学も参画し、現在までに4回実施されている好評のイベントです。

「本ぶらサンデー」とは、どんな催しですか?

「本ぶらサンデー」のコンセプトは、“ちょっといい日曜日”です。天理本通り商店街を会場に、アクセサリーや布細工などのハンドメイドのお店や、美味しい料理やスイーツのキッチンカーが出店し、音楽などのパフォーマンスも行われます。商店街を楽しむきっかけを提供し、このまちに愛着を持ってもらうことを目指しています。

なるほど!瀬川さんはどんな風にこの催しに携わったのでしょうか?

社会教育学科では、地域社会を元気にするために、さまざまな人やコミュニティの力を引き出して活動していく方法について、専門的な講義や現場での実践を通じて学んでいきます。
今回の「本ぶらサンデー」に、私たち学生は生涯教育基礎演習(※2024年4月より名称変更)の授業を通じてかかわり、天理本通り商店街の皆さんが感じる課題を解決する方法について考えました。
例えば「商店街の奥までお客さんが訪れにくい」という意見があったので、天理時報社さんと力を合わせて商店街全体を楽しめるスタンプラリーを企画したり、商店街の奥に縁日広場をつくったりしました。スーパーボールすくいや射的などを設置したことで、子ども連れのお客さんで賑わい、お店の方々からも好評でした。

ここで、今日のDISCOVERY

準備と振り返りが、八割。

地域を盛り上げる催しを行う、というとどうしてもイベント当日の楽しい光景ばかりが浮かびがちです。しかし、実際に必要なのは地道な作業とのこと。

「本ぶらサンデー」の企画段階では、商店街に一体感をもたらす仕掛けや演出をつくれないか、悩みながら考えました。結果として思いついたのが、母の日の「カーネーション」、秋祭りの「提灯」、天理にちなんだオリジナルキャラクターの缶バッジなど、人と人、人と商店街をつなぐグッズをつくること。当日は、手から手へ、学生たちが心を込めて皆さんにグッズを渡しながら、「本ぶらサンデー」を応援しました。手作りなので数が多くて大変でしたが、地域を元気にしたいという目的を実現するためには、入念な準備が必要だと気づかされました。

それに終わったあとの振り返りもとても大事ですよね。イベントをやっても一過性で終わってしまっては全く意味がありません。商店街の皆さんが何を感じたか、また参加したい・もっとかかわりたいと思ってくれたのか——私たちの間ではもちろん、商店街の皆さんともご一緒しながら検証し、改善していくことの大切さが身に染みました。

回を重ねることで、地域の皆さんとの関係性も深まりそうですね。

そうですね。商店街の皆さんもさまざまな考えや想いを持っておられて、お店をずっと続けたい方がいれば、自分の代で終わりにしようと考えている方もいらっしゃいます。そうしたそれぞれの想いを尊重しながら、地域の皆さんを主役に元気に活動していくベストな方法をこれからも模索していきたいです。

天理大学では、学生が地域の方とのかかわりを通じて学びを深め、
社会貢献活動のなかで「DISCOVERY(気づき)」を得られる機会を提供しています。

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