語彙・文法をコントロールする日本語?川西町との国際交流イベントで知った「やさしい日本語」。

日本に住む外国人の割合は増え続けており、2023年6月の在留外国人数は322万3858人で過去最多となりました。
日本語を母国語とせず、異なる宗教・文化的な背景を持つ人が増えるなかで、私たちには共生社会に向けて何が求められるのでしょうか?

今日のナビゲーターは、国際学部の井出りこさん。
奈良県川西町で行われた国際交流イベントを通じ、どんな"DISCOVERY"があったのか聞きました。

※学生の学部学科専攻等の所属表記は、入学当時の名称となります。

井出さんは、2023年12月に川西町の小・中学生と天理大学の留学生が交流するクリスマス会に参加したそうですね。どんなことを経験しましたか?

天理大学からは留学生5名(アメリカ1人・コロンビア2人・フランス1人・ウクライナ1人)と私たち日本人学生が2名、川西町からは小・中学生15名が参加しました。
当日は留学生たちが自分の国についてプレゼンテーションを行い、私も自分の出身県である山梨についての発表を実施しました。

小・中学生にとっても、普段なかなか関われない留学生たちと接しながら彼・彼女たちの国や文化について知ることができるのはとても良い機会ですね。

そうですね。小・中学生と留学生が一緒にクリスマスのリースづくりをするに当たり、私たち日本人学生はコミュニケーションの間に入り、橋渡し役を担いました。

天理大学と奈良県川西町は、2021年に「包括的連携に関する協定」を結んで以来、さまざまな国際的な取り組みをしています。東京パラリンピックでは、プエルトリコのパラリンピック選手を受け入れた川西町主催のオンライン交流会を天理大学がサポートしています。
今回の国際交流で、井出さんはどんなことを工夫しましたか?

実は私自身も、コロナ禍もあってこれまで海外に行く機会に恵まれませんでした。外国出身の人とたくさん話すのは、今回が初めて。故郷の山梨県についてのプレゼンテーションも、スライドをつくりながらこれで伝わるのかな?と途中で不安になって。でも、小学生に分かるようにと簡単にしつつ、留学生が読めるように英語で説明を併記したりと試行錯誤するうちに、あることに気づいたんです。

ここで、今日のDISCOVERY

相手に合わせた、「やさしい日本語」で話すことも大切。

考えてみたら英語=外国語ではないし、私自身スペイン語を勉強しています。小・中学生に分かるように漢字にルビを振ったり、難しい語彙を使わないようにしていたけれど、もしかしたら英語圏以外の留学生にも、この方が分かりやすいかもしれないと気づきました。

なるほど。2024年から国際学部には国際文化学科が新設されますが、この学科では相手に合わせて語彙や文法をコントロールする「やさしい日本語」の授業が必修となります。井出さんの気づきは、共生社会のヒントになりそうですね。

そうですね。国籍が違うから控えめにしよう、と怯んだり遠慮したりせず、困っている人がいたら声を掛けて安心してもらえるよう、私も積極的に行動していきたいです。

天理大学では、学生が地域の方々との関わりを通じて学びを深め、
国際交流のなかで「DISCOVERY(気づき)」を得られる機会を提供しています。

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