外国人観光客にもっと奈良を知ってもらうために。
留学生と考える「なら歴史芸術文化村」の魅せ方。

日本を訪れる外国人のことを考えて設置したはずの、外国語の看板や道案内。
実際には誤訳があったり、意味が通じなかったりすることも多いそうです。

今日のナビゲーターは、国際学部日本学科(留学生対象)の芹澤知広先生。
授業を通じ、留学生が「なら歴史芸術文化村」(奈良県天理市杣之内町)にかかわる新たな試みについて聞きました。

日本学科は、外国人留学生を対象としたユニークな学科。日本語能力を高めることはもちろん、文化人類学や言語学を通じ日本の社会や文化について理解を深められる点を特徴としています。なかでも、「ナラロジー特論」の授業では、大学近くの文化施設「なら歴史芸術文化村」での課外授業を実施するそうですね。どのような内容になるのでしょうか?

「ナラロジー特論」は、「なら歴史芸術文化村」を訪れた外国人に対して、奈良県の文化をどのように紹介するのかを留学生が考えていく実践的な授業です。

留学生ならではの視点が役立つのでしょうか?

そうですね。「なら歴史芸術文化村」には、芸術作品や文化財の展示室のほか文化財修復の作業場が公開されています。しかし、これらを見る外国人にとっては知っておくべき前提やわかりにくい部分も多く、そのことに日本人では気がつかないということも多くあるかもしれません。

確かに、日本各地で中国語の表記が間違っていて混乱を呼んでいたり、英語の丁寧な説明が意に反して面白おかしいものになっているなどの例が話題になっています。

外国人向けの道案内が駅から史跡、施設までどのように記されていればわかりやすいのかというアクセスの面でもそうですし、また文化財修復ツアーのガイド内容に何を盛り込めばよいのかといった魅力の発信まで考えることは、留学生にとって座学だけでは得られない貴重な経験になるはずです。

ここで、今日のDISCOVERY

地元の発見×留学生の“発見”の相乗効果

留学生にとっても大きな気づきになりますが、日本を外から見る視点を「再発見」し、奈良県や天理市のPRに活かせることは、地域社会にとっても大きな収穫となりますね。

「なら歴史芸術文化村」での実地調査の結果を教室で分析・考察したあとには、関係者も参加した発表会でのプレゼンテーションやディスカッションも行いますので、留学生にとって実践的な対応力が身につく授業です。また日本の文化のふるさとである奈良について学ぶことは、すなわち日本について学ぶことです。奈良県内の企業に就職する際にも活かせる内容となっています。留学生の気づきと地元の気づきの相乗効果で、地域社会を元気にできたらと思っています。

天理大学では、学生が地域とのかかわりを通じて学びを深め、
実践の場で「DISCOVERY(気づき)」を得られる機会を提供しています。

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