【まちの保健室 前篇】
検査で必要なのは、コミュニケーション。
呼吸機能検査(スパイログラム)で気づいた大切なこと

医療学部が、2019年より開催する「まちの保健室」。
学生有志が健康に関する各ブースを天理駅北団体待合所にて出展するこのイベントは、
例年多くの地元の方で賑わいます。
今日のナビゲーターは、医療学部臨床検査学科の津村 翔平さん。
「まちの保健室」への参加を通じ、どんな"DISCOVERY"があったのか聞きました。

※学年は、2024年3月時点での情報です。

2023年10月14日、今年も医療学部による「まちの保健室」が開催されました。
今回で4回目の開催となる「まちの保健室」は、学生が日頃の学びを実践し、地域社会に貢献するとても貴重な機会となっています。
2021年度からは医療学部の授業の一環にもなっており、参加学生たちは天理市民の健康状況や健康教育の理論などを学んだうえで、出展ブースの内容をグループごとに企画していきます。

看護学科では、専用機器で骨密度などを測定する「骨健康度測定」や、来場者が食品を組み合わせて一食の栄養価を機器で測定する「栄養バランスチェック」、臨床検査学科ではコロナ禍で身近になった「PCR検査体験」や、血管年齢を推定する「血管年齢測定」など、合計14個のブースを展示。沢山の方に来ていただきました。

今回津村さんが担当したのは、スパイロメーターを使う、「呼吸機能検査」でした。
ところで、「スパイロメーター」とは、どんなものですか?

スパイロメーターは、肺活量を調べるための測定器です。肺に出入りする空気量や速度を測り、肺の働きや呼吸の病気がないかを調べるために用います。
他の測定と組み合わせることで、ぜんそくや肺気腫などの疾患を見つけることができるんです。

スパイロメーターは、一気に息を吸い込んでから吹き込む検査です。
簡単なように聞こえますが、実はタイミングが難しく、やり直しが多くなる検査だそう。

特に高齢の方にとって、息を一気に吐き出すのは大変なので、やり直しを繰り返すと負担をかけてしまいます。でも、絶妙なタイミングを説明して伝えるのって、結構難しいんです。
耳が遠い方もいらっしゃいますし、初めて経験する相手に言葉だけで伝えても、イメージが掴みにくい方も多いように感じました。

授業内で説明方法などについての準備を重ねてきたものの、上手く伝えられず、現場で悩む津村さん。
しかし、当日さまざまな方に検査を行うなかで、ふとあることに気づきました。

ここで、今日のDISCOVERY

検査を実施するとき大事なのは、まずコミュニケーション!

しっかり説明しなきゃと思って気負っていたところもあったかもしれません、でも、実は説明するより、実演するほうが伝えやすいときもあるのだと気づいたんです。
きっかけは、学科の先生によるアドバイスです。
説明を受けて分かったようで実は分かっていないかも……という不安な気持ちで検査を受けていただくより、検査中に適切なタイミングを伝えるだけのほうがいいよ、と。
その助言をヒントに、より大きなリアクションで息を吸うタイミングや吐くタイミングを合図することで、スムーズな検査を行えるようになりました。

これまで座学だけではなく、学内実習にも熱心に取り組んできた津村さん。
「まちの保健室」は、地域の方を相手に実際の検査を行う初めての経験となり、説明一辺倒ではなく、相手に寄り添うコミュニケーションの方法を実感できたそうです。

卒業後、僕は臨床検査技師として天理よろづ相談所病院に就職します。
病院の規模によっては多分野を掛け持ちする場合も多いのですが、天理よろづ相談所病院では専門分野の担当を持つことになります。
学会での発表を通じて知識を深めながら、患者さんとのコミュニケーションを大切にできる臨床検査技師をめざしたいです。

天理大学では、学生が地域の方とのかかわりを通じて学びを深め、
社会貢献活動のなかで「DISCOVERY(気づき)」を得られる機会を提供しています。

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