10月25日、「天理駅前広場コフフン」および「TEN.TEN.CAFE」にて、本学学生が「コフフンでハロウィンナイト」を開催しました。
このイベントは、「天理大学特別講義8『地域と農業』」を受講する学生たち21名が中心となって企画し、当日の運営や調理などを行いました。
「天理大学特別講義8『地域と農業』」は、今年度より開講した授業科目で、創立100周年に向けた記念事業の一環として誕生した天理駅前サテライトキャンパス(南団体待合所)において、毎週授業が行われています。
秋学期の授業開始直後から、受講する21名の学生たちは4つのグループに分かれ、飲食・装飾・イベントの企画にとりかかりました。
飲食担当のグループは「地元の食材でハロウィンを楽しむ」ことをコンセプトにし、天理市さんから食材情報を得ながら、「TEN.TEN.CAFE」さん協力の下、サラダワッフルの商品開発を行いました。
地元の農産物については時期外れのものもあったものの、すでに作られていないものを多いことを知る機会をえました。今回は天理市の特産品である「利根早生柿」を選び、サラダには用いず、柿をジャックオランタンに見立ててサラダワッフルのプレートを盛り上げました。
「TEN.TEN.CAFE」の厨房での商品開発においては、味だけでなく見た目の美味しさについても教わりました。写真の2次元では同じに見えても、実際には、立体的にものを見ることになるのでサラダの量や、ワッフルの置き方などで美味しさの印象が異なることを実体験しました。
学生がハロウィンカラーを手掛かりにネットなどで調べ、バタフライピーというハーブティーの存在を知りました。青色のお茶がレモン果汁で紫に変化するミラクルは、まさにハロウィンにふさわしいということになりました。それを暗闇カフェに合うよう、見た目も味もお洒落な飲み物には、どのようにすればよいのか学生は自宅でも実験しました。最終的には、「TEN.TEN.CAFE」の河島氏が示してくださったものを提供することにしたのですが、作りながら、人を魅了するものには手間暇をかけなければならない、それに応じた価格設定が必要だということを知りました。
装飾を担当するグループでは、ハロウィンパーティーにふさわしい「暗闇カフェ」をイメージし、限られた時間と予算の中でどのようにすれば「場」を盛り上げることができるか、どのように飾り付けすれば「天理駅前広場コフフン」や「TEN.TEN.CAFE」との調和がとれるかなど、皆で意見を出し合い、試行錯誤を重ねました。
ハロウィン・イベントを開催していることをアピールする役目を担った2つのグループは、「コフフンでハロウィンナイトを思い出に残す!」と「SDGsーんず(エスディージーンズ)」を企画しました。
「コフフンでハロウィンナイトを思い出に残す!」は、仮装したり、ハロウィンのモチーフをフェイスペインティングしたり、ハロウィンらしいフェイスメイクをすることで、コフフンでのハロウィンイベントに参加した思い出を提供しました。
スマートフォンで撮影したものを、今若者の流行りであるチェキのように、その場でフィルムをプリントアウトすることで、フィルムの空欄には、今のこの瞬間の気持ちなどを書くなどして思い出を持って帰ってもらいました。幅広い年齢層の方々が参加し、フェイスメイクや仮装を楽しみました。
「SDGsーんず(エスディージーンズ)」では、コーヒーの出がらしを利用してジーンズやTシャツ染めを行いました。これは、ジーンズをコーヒーのセルフ染めを普段から行っている学生の発案で、イベント当日はブリーチジーンズなども実施しました。
学生たちは森元伸枝社会福祉学科教授をはじめ、「TEN.TEN.CAFE」の河島翔馬氏や河島歩氏より様々なアドバイスを受けながら準備を進め、当日はそれぞれが担当する箇所だけでなく、互いに行き来しながらイベントを盛り上げ、学生たちにとっても自らが企画・運営したことで、座学だけでは味わうことのできない達成感が得られました。
「天理大学特別講義8『地域と農業』」では、「農」を通して「地域」の魅力を理解し、持続可能な「環境」や社会を共創し実践できる知識や素養の修得を目指して、今後も天理市などと連携しながら交流イベントや授業を学生とともに企画していく予定です。
森元伸枝教授コメント
本来、ハロウィンは古代ケルト人の宗教儀式と収穫祭が合わさった10月31日のイベントでした。今回はこのイベントをとおして「地域と農業」(ひとつは、地域に何かしらの活性を生み出すこと、もう一つは、地域の農産物を知ること)を実体験という形で学びました。
学生たちはご協力いただいた「TEN.TEN.CAFE」のオーナー河島翔馬さんからの「自分たちのやってみたいことをやってみよう!」の一言にはじまり、学内の先生や事務の方だけでなく、天理市さんや「TEN.TEN.CAFE」のスタッフやご家族の方、農家さん、自分たちの友人・知人など多くの人を巻き込みながら、やり遂げることができました。
企画から本番までひと月もなかったことで準備不足が否めませんが、1時間半のイベントの最中、反省すべきことが多々出てきたと思います。しかし、それもイベント終了とともにすべては達成感となり、「来年もやりたい!」という声になっていました。
1週間経った今、彼らは振り返りレポートを書きながら、自分たちの達成感がどれほど多くの人のおかげで成り立っていたのか身に染みていると思います。同時に、来年につながるように今年の反省点を挙げてくれていると期待しています。