9月16日、天理大学雅楽部と同部OBを含む総勢22名が、今年1月1日に発生した能登半島地震で被災した石川県珠洲市を訪れ慰問公演を行いました。
雅楽部では、能登半島地震発生当初から、「被災された方々に対して何か出来ることはないか」と考え、2月(天理公演)と3月(東京公演)の定期公演の際に募金活動を実施しました。
また、地震から半年以上経った現在もなかなか復興が進まない現状を知った雅楽部員たちは、「自分たちの雅楽を鑑賞してもらって少しでも元気になっていただきたい」との強い気持ちから、珠洲ひのきしんセンター様へ相談したところ、部員とスタッフの宿泊所提供をはじめ多方面にわたってご協力いただけることとなり、今回、慰問公演としての訪問が叶いました。
当日は、午前中に「特別養護老人ホーム第三長寿園」、午後に「特別養護老人ホーム長寿園」を訪れて演奏会を開きました。
「雅楽の魅力や楽しさを存分に味わってもらいたい」と部員たちで約60分のプログラム考え、管絃『越殿楽』の演奏からはじめ、謡物・催馬楽(うたいもの・さいばら)『我家(わいえ)』、舞楽『陵王』などを披露させていただきました。
演奏会の最後には、雅楽調にアレンジした唱歌『ふるさと』を全員で合唱しました。
また、午前と午後の慰問講演の間には、道の駅「すずなり」でも公演を開催し、買い物に訪れていた若い人たちにも雅楽の生演奏を聴いていただく貴重な機会となりました。
令和6年能登半島地震、9月21日の能登半島を中心に発生した豪雨で被災された方々、そのご家族や関係者の皆様にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧と、皆さまが再び安心して暮らせる日が来ることを心よりお祈り申し上げます。
雅楽部部長 川口喜一郎さん(宗教学科3年・天理教校学園)
初めての慰問公演で緊張など様々な思いがありましたが、施設の利用者さんや職員の皆さま方に喜んでいただけてとても嬉しかったです。少しでもお役に立てることがあればという気持ちから行かせていただきましたが、被災地で懸命に復興活動をされている方々が僕たちに優しく接してくださるなど、人と人とのつながりやあたたかさを改めて知ることができました。ご協力くださった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
矢田美歩さん(人間関係学科4年・天理教校学園)
今回の慰問公演は、定期演奏会やイベントでの演奏会とは違っていて、上手く演奏したいという気持ちではなく、皆さんに「元気になってほしい」「喜んでもらいたい」という思いを届けたいという気持ちで演奏しました。初めて雅楽を聴く方々も多かったようで、目を凝らして耳を澄まして聴いてくださっていたと聞いて、行かせていただけて本当によかったと思いました。