人文学部社会福祉学科の昇 寬 教授が、今年9月に韓国で行われた国際学会(注1)において「大学教育におけるホースセラピーコースの新設―天理大学の取り組み―」(Establishment of Horse Therapy Courses in University Education―Initiatives at Tenri University―) と題し、天理大学のホースセラピー教育について発表されました。
本講座はヒト側と馬側の両面からのアプローチで対応しているという点で、日本初のホースセラピー講座といえます。ここには、馬の専門家である獣医解剖学者、獣医生理学者、馬調教師、またヒトの専門家である臨床心理士、作業療法士、理学療法士などの多数の専門家が関わっています。
ホースセラピーは、乗馬や馬と触れ合うことで心身の働きをより健常に近づけ、日常生活の質(QOL)を高めることをめざして行われます。そのため、作業療法や理学療法などの医療的分野の処方として明確な治療目的を持って実施されます。
本学でのホースセラピーの対象としては、健康な人は勿論のこと、神経発達症(例えば、コミュニケーション障害群、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、学習障害、運動発達障害)等の方々が含まれます。一例として、筋緊張の低い脳性麻痺児や脊柱彎曲の患者には馬の背中での動揺が立ち直り反射を誘発させ、自然な運動療法を成立させることになります。
今後は大学の事業として「インターンシップ1(ホースセラピー事業)」が計画されており、本年後期科目として開始が予定されています。
注1 The 36th International Meeting of Physical Therapy Science in Korea& 15th Korean Academy of Neuromuscular Physical Therapy. (於:Konyang University)における発表.
参考URL:天理大学のホースセラピーについて(https://www.tenri-u.ac.jp/social/horse/)