JICA海外協力隊として2月19日から約1ヶ月間、エジプトで活動した天理大学柔道部4名が、4月15日、天理市の並河健市長を訪ね、帰国報告を行いました。
帰国報告の冒頭、JICA関西の木村出所長は、2022年に天理大学・JICA関西・天理市の三者で締結された覚書に基づいて、昨年10月に長期派遣が実現され、それが軸となって今回の短期派遣が実現されたことを説明しました。
そして、「エジプトはラマダン中で大変なこともあったと思うが、かけがえのない経験ができたのではないかと思う。また、社会が平和であってこそスポーツに集中できるということや、柔道の指導を通じて、『教えることは教わること』という新しい価値観にも気づけたと思う。今回の経験をこれからの人生に活かしてほしい」と、帰国した学生らを労いました。
続いて派遣隊員を代表して、舟﨑千夏隊員が帰国報告を行いました。舟﨑隊員は、「初日は日本とエジプトの柔道の捉え方の違いにとまどったが、自分たちの柔道への取り組み方を背中で見せることで、徐々にエジプト選手たちの練習への向き合い方が変化してきた。言葉は通じなくても、お互いの成長が実感できた。出発前に皆で掲げた『何かを得てくる』という目標を、貴重な体験を通して得ることができた」と語りました。
舟﨑隊員の報告を受けて、柔道部監督の穴井隆将准教授は、「出発前に掲げた目標『何かを得てくる』という、その『何か』を各自が明確にして帰ってきたと思う。日本では気づけないこと、当たり前が当たり前でないということを体験し、人として一回りも二回りも成長したと思う」と学生たちを労い、「短期派遣が継続していけるように尽力したい」と、今後の取り組みについての希望も述べました。
次に並河健市長が挨拶を行い、「帰国報告書を拝見し、皆さんが現地で苦労されたことや、出発前に掲げた目標を達成なさったことがよく分かった。今回のような機会をこれから積み上げていくことで、天理柔道とエジプトで結ばれた絆がこれからより深くなっていくと思う」と話した上で、関連する国際交流の実績として、天理市内の小学校とエジプトの学校によるオンライン交流会について紹介しました。
報告会の最後には、永尾比奈夫学長が挨拶に立ち、学生たちが無事帰国したことに対する安堵と感謝の意を関係者に伝えました。また永尾学長は、「言葉が通じなくても、柔道の指導を通じてスポーツの親和性が体感できたと思う。また、皆さんがエジプト柔道から得たこともたくさんあったと思う。今回の活動で体験した様々なエピソードを、学内還元として多くの友人たちに語ってもらいたい」と、学生たちに呼びかけました。
記念撮影後の歓談の場では、並河市長が隊員たちに「食事面に問題はなかったか」や「柔道の指導以外で印象に残ったことは何か」などと尋ね、隊員たちからは、失敗談も含め海外だからこそ体験できた様々なエピソードが語られ、話が尽きない歓談の場となりました。
今回のJICA海外協力隊の短期派遣に参加した隊員は以下のメンバーです。
- 舟﨑千夏さん(本学大学院体育学研究科体育学専攻2年)
- 芝彩那さん(地域文化学科4年・龍谷大学付属平安)
- 柴田勘次郎さん(体育学科3年・天理)
- 樋笠将太さん(体育学科3年・志度)
- 濱中大地さん(2024年3月体育学科卒業)