【教員コラム】看護学生から看護師へのトランジション 2024.04.01 医療学部看護学科 # 教員コラム# 医療学部# 新卒看護師# 看護学科# 教員コラム

研究室の多肉たち

4月になると、いつも想いを馳せることがあります。
私が教育担当看護師をしていた時のことです。
当時は30名ほどの新人看護師の駆け込み寺のようなことをしていました。

ある日、Aさんと話していたときに、
「みんなと比べてしまう、ひとり立ちが出来ない、先輩に迷惑をかけてる。
ナースコールに出ても分からないから結局、患者さんを待たせてしまう。こんなはずじゃなかった」
時には涙ぐみながら話していました。
私としては、だいたいこの時期はそういう理由で落ち込む、だけど乗り越えられる!ということが経験的にわかってました。出来ることに目を向けてもらおうと、今はこれが出来たら大丈夫!と励ましていました。
みんなと一緒じゃなくていいし、同期と比べなくていい。
自分の中でできること増やそうと、時には病棟に行き一緒に看護実践しました。
先輩や師長さんに調整したり、そうこうしてるうちにだんだん、独り立ちしていってホッとしたものです。

何かが終わって、新たな始まりのあいだには「ニュートラルゾーン※」があります。
そのあいだに、学生が終わったことを再認識して、自分を再構築したり、さまざま対応したりします。
今は、いろいろせわしなく、私が現場にいたときのあの頃のようなゆるやかな変化を待つ時代は終わったかもしれません。「ニュートラルゾーン」が強制終了されるかもしれません。
だから今は、この時期は~~なんてことは言えないなと思い直しました。
誰一人同じように変化はしないし、モラトリアムが長く必要かもしれません。

新しい場所で新しいことを始めるのはワクワクします。
いざ始まってみると少しつまづくこともあります。
新卒看護師さん、一歩踏み出したあなたが、つまづいたとしても、変化を恐れずにね。
乗り越える力を持ってほしいなと思います。そういう力をもっていますよ。だから大丈夫です。
だけど、
大学に時々戻ってよもやま話でもしましょう。
待っていますね。

※ウィリアム・ブリッジズのトランジション理論より

執筆者(医療学部・看護学科  東真理・准教授)

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