臨床検査学科 戸田 好信(第17回日本臨床検査学教育学会学術大会 大会長)
第17回日本臨床検査学教育学会学術大会には、多くの方々にご参加いただき、お陰様をもちまして、2023年8月23日(水)〜8月24(木)の2日間 奈良県天理市の天理大学杣之内キャンパスにおいて現地開催にて盛会裡に終了することが出来ました。
伝統ある学術大会を天理大学において開催する機会に恵まれたことを大変光栄に存じております。一般演題の応募総数は107題で、事前参加登録者は345名、当日参加登録者は96名でした。天理大学杣の内キャンパスにお越しいただいた方は414名、WEBでの参加者は26名、総勢440名の方にご参加を頂けました。また学会参加者の天理図書館来訪者数151名、天理参考館来訪者数48名でありました。
今回のテーマは「臨床検査学教育・今昔物語〜求められる次世代型臨床検査学教育」としました。2022年度新入生より適用される教育カリキュラムはさまざまな変更が加えられ、特に臨地実習においては大きく変更されました。今後、医療現場における臨床検査技師に求められることは時代とともに変わってゆくことでしょうし、果たすべき役割はますます重要になってきます。そのような時代の流れに対応できる臨床検査技師教育も重要なことと考え、新カリキュラムに対応した臨地実習前の技能修得到達度評価の取り組みや今後の臨床検査技師像など多くの会員の先生方と共に「求められる次世代型臨床検査学教育」を議論し合える場となりました。
本学術大会の企画として2日間の日程でありましたが、1日目は日本臨床衛生検査技師会 宮島喜文代表理事から基調講演「次世代を担う臨床検査技師に期待すること」をご講演いただきました。教育シンポジウム「カリキュラム改訂後、今後求められる臨床検査技師教育および卒後教育・資格」をシンポジストよりお話しいただき、特別講演では穴井隆将天理大学柔道部監督から「柔道を通して育んだこと」のご講演をいただきました。2日目の教育講演では鳥取大学浦上克哉先生より「新カリキュラムにおける認知症教育」についてご講演していただき、ワークショップ「これからのスマート技師教育」では今後の新しい教育への取り組みをお話しいただきました。
また、一般演題では107演題の応募があり、1日目に大学院生セッション(32演題)、2日目に教員セッション(36演題)、学部生セッション(39演題)を行い活発な議論がありました。
本学が一丸となって運営に取り組んできたことにより学術大会が有意義な会となりましたこと感謝致します。ご参加いただきました皆様、ならびにご協力いただきました関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
本学の学生は、スタッフとして同学会を支えただけでなく、研究発表者としても参加しました。
臨床検査学科からは、3名の学生が学部生セッションで発表いたしました。
井上瑞樹君は、
演題名「大学生男子アスリートにおけるアルカリホスファターゼ(ALP)高値の関連因子を探る」にて、発表しました。
植田みゆさんは、
演題名「凝固線溶波形解析による抗凝固剤・抗線溶剤併用時の凝固線溶機能の解明」にて、発表しました。
矢谷美月さんは、
演題名「免疫学的検査におけるリアルタイム精度管理Even-check法の有用性と問題点」にて、発表しました。
また、本学医療学部の前身である天理医療大学を卒業後、京都大学大学院に進学した八田桃佳さんが、演題名「拡散テンソル画像を用いた水晶体線維細胞の配向性の検討」で、大学院生セッションにて発表しました。尚、本演題は優秀な発表が認められ、学会より優秀発表賞を授与されました。