夏の訪れとともに急増する熱中症による健康被害。
天理大学では、熱中症対策の大切さを子どもたちへ伝えるため、包括連携協定を結ぶ大塚製薬株式会社、天理市との産官学連携プロジェクトを始動。
将来、教員になろうと、教職課程を履修している学生有志が「熱中症対策啓発ポスター」の制作、および天理市内公立中学校への出前授業を行いました。
今日のナビゲーターは、体育学部体育学科の駒香里さん。
プロジェクトを通じ、どんな“DISCOVERY”があったのか聞きました。
※学年は、2024年4月時点での情報です。
2023年5〜9月の奈良県内の熱中症による救急搬送者数は1182人。そのうち、7〜17歳の少年が15.6%を占め、全国の割合(10.5%)を上回ります。
そこで、熱中症対策の周知を大学生だけに止めず、大学生が情報発信する側に立って、天理市内の児童生徒を含む地域の健康増進に寄与できないかとプロジェクトが始まりました。
プロジェクトは、本格的な暑さを迎える前にと、4月に始動しました。この時、参加した私たち学生も熱中症対策に対する意識はあまり高くありませんでした。私も救急看護の授業を通して熱中症は軽んじてはいけないと改めて感じていたので、たくさんの方にその事実を知ってほしいという想いからプロジェクトに参加しました
プロジェクトの第1回目では、大塚製薬株式会社の担当者から熱中症の現状について解説がありましたが、どんな学びがありましたか?
新たな学びがたくさんありましたが、特に奈良県の子どもたちの搬送割合が全国平均と比べて高いことは衝撃的でした。熱中症は大人や高齢者がかかりやすいものだと思っていましたが、子どもの方が発汗機能が未熟だと知り、今までの認識が大きく変わりました。
そんな学びも踏まえて熱中症対策啓発ポスターの制作に取り組んだのですね。
制作するうえで、どんなところにこだわりましたか?
特に大切にしたのは、子どもたちの目に留まること。内容を読んでもらえないと認知にはつながらないので、一目で興味を惹く言葉選びとデザインにこだわりました。最終的に、奈良県を象徴する鹿を絡めた「シカないやん」というキーワードを使い、「冷やす」「飲む」「休む」という熱中症対策の3つのポイントを盛り込んだ構成になりました。
駒さんら学生がモデルとなって写真撮影も実施し、ついに熱中症対策啓発ポスターが完成。
7月上旬には、天理市内公立中学校への出前授業を行いました。
ここで、今日のDISCOVERY
誰かに伝えることで、自分の知識も深まる。
出前授業に向けて、「熱中症対策アンバサダー」の資格を取得し、授業の資料も作成しました。当日は、子どもの熱中症リスクの高さや、食事や睡眠など日頃の生活習慣の大切さなどを話しました。中学生に伝えるという目的があったからこそ、私自身も知識を深めることができたと感じています。
なるほど。駒さんの気づきは将来にも活かせそうですね。
今回のプロジェクトは想像以上に規模が大きく、中学生はもちろん、様々な職種の方とも接することができ、私にとって大きな財産になりました。
また、普段から教職課程で行っている模擬授業の成果を発揮できたのも嬉しかったですね。
今回、熱中症に関する基本的な知識から現場での対応まで知ることができたので、これから教育現場に出たら、しっかりと学びを活かしていきたいです。
天理大学では、学生が地域や企業との連携を通じて学びを深め、
「DISCOVERY(気づき)」を得られる機会を提供しています。
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