中学時代から夢見た、外国での勤務。
交換留学が、憧れを目標に変えた。
現在のお仕事について教えてください。
在タジキスタン大使館にて、一等書記官として勤務しています。官房班長という立場で会計業務を担当し、新たに着任する外交官の生活支援や、出張者がタジキスタンで効果的に活動するためのサポートを行っています。
外交官をめざしたきっかけは何でしたか?
中学生の頃から外国語とかかわる仕事がしたいとの夢を持っていましたが、具体的な目標に変わったのは、天理大学に進学してからです。在学中にロシアのサンクトペテルブルクに留学し、現地のロシア人や留学生と接するなかで、外国で働くことにいっそう興味が湧きました。帰国後に「在外公館派遣員制度」に応募し、在ロシア日本国大使館で勤務した経験が外務省をめざす直接のきっかけとなりました。
どんなときにやりがいを感じますか?
豚インフルエンザが流行した2009年、私は在ルーマニア大使館で勤務していました。最終的には、ワクチン製造が冬までに間に合ったことで事態は収束しましたが、発生当時は先のコロナ禍と同様に世界中が震撼しました。当時、大使館として正確な情報をルーマニアの在留邦人に提供し、感謝の言葉をいただいたことが今でも印象に残っています。
中身の詰まった外国語を話すために、
「物の見方」を支える知識を養おう。
大学時代の学びは、どんな風に役立っていますか?
当時の学びはロシアという世界への扉を開き、第一歩を踏み出すきっかけとなりました。もちろん語学力や知識は就職後でも習得できますが、その最初の「きっかけ」を見つけられる場所は貴重です。授業一つ一つが、現在の外国での仕事や生活につながっています。
大切にしている「つながり」はありますか?
「コミュニティー」の最小単位は家族です。まず自分の家族から大事にして、その周りの人とのつながりも大事にしようと心がけています。
外交官に興味を持つ学生にメッセージを。
何事にも興味と疑問を持つことを心がけてみてください。語学力が必須の世界であっても、中身がなければ空っぽな言葉でしか語れません。しっかり勉強して「物の見方」を支える知識を蓄えることが大切です。そのうえで、「失敗する勇気」を持ちましょう。失敗しても、やり直せば良いのです。今頑張ったことは、必ずいつか役に立つはずですから。
略歴:
2001年3月より:在ロシア日本国大使館 派遣員
2003年9月より:外務省に採用、在ロシア日本国大使館 三等理事官
2003年10月より:外務省日米安全保障条約課 外務事務官(庶務班)
2005年11月より:外務省領事局領事サービス室証明班 外務事務官(証明事務担当)
2007年10月より:在ルーマニア日本国大使館 三等書記官(領事担当)
2010年9月より:在リヨン出張駐在官事務所(現在リヨン領事事務所) 副領事(会計、領事・警備・広報文化等担当)
2015年3月より:在ラトビア日本国大使館 二等書記官(領事・警備、通信担当)
2021年10月より:同 一等書記官(総務、会計担当)
2022年12月より:在タジキスタン日本国大使館 一等書記官(会計担当)