「阪神タイガースからお土産物まで、大阪というと“虎”にまつわるものが多いですよね。私自身も旅行先でたまたま虎に関するものと出会うことが多く、虎に縁があるのかな、と興味をもったことがきっかけで、虎の張り子(はりこ)をテーマに選びました」。
民俗学を専攻する、山口さん。卒業論文のテーマとして、大阪の郷土玩具である虎の張り子を選び、研究に熱中しています。
まず、張り子とは何ですか?
竹や木で組んだ枠や粘土で作った型に紙などを貼り付けてつくる郷土玩具です。日本全国に、さまざまな種類の張り子があります。
虎にまつわるものにも色々あるけれど、どうして郷土玩具を選んだ?
もともと実家や親戚の家に古い置物や人形などがたくさんあり、暮らしのなかで身近に感じてきました。虎とこうした物が組み合わさるようなものがないかと探したときに虎の張り子のこと知り、研究を始めました。
印象に残っているアドバイスは?
先生や先輩方からいただいた、「何を明らかにするかを明確にすることが大事」という助言です。壁にぶつかっても、この考えが軸にあれば本題からそれずに取り組めます。
「民俗学は、私たちの人生と知的な世界をつないでくれます。知的な関心を高めることは、心の豊かさを育むことだと思います」。
そう朗らかに語る山口さん。最近では、人文系の学科に進んでも就職できないのでは、と考える人もいるようですが、山口さんは違う意見を持っているようです。
学科で学ぶ内容は、キャリアに結びつくと思う?
そう思います。学術分野に関しては専門性の高い職種に限られるかもしれないけれど、人とコミュニケーションの取り方や、自分の言葉で相手に伝える力がとても鍛えられる環境なので、どんな仕事でも役立つはずです。
天理大学の好きなところは?
学生同士や先生との交流がしやすいところです。学生数も少ないので、学びに関すること以外でも、日頃から相談に乗ってもらうことができます。
最後に、今後の目標について教えてください。
今は情報が氾濫しており、相手を傷つける発言や間違った情報の拡散も目立ちます。私自身もメディアリテラシーをしっかり身につけながら、好きなことを学び、感受性を磨きたいとです。
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