人をつなぎ地域をつなぐ学び― 天理大学2026年度公開講座の取り組み 2026.06.15 人文学部国際学部体育学部医療学部社会連携

天理大学では、2026年度の公開講座を4月から12月にかけて随時開催しています。各分野の専門教員による講座は、地域住民の皆さまに広く開かれた学びの機会として好評を得ています。その中において、大阪市立阿倍野市民学習センターとの共催による「人文学へのいざない」(全6回)の第3回講座が、6月6日に同センターにて開催され、約40名が参加しました。

本講座は、阿倍野市民学習センターに本学社会教育学科(旧:生涯学習専攻)の卒業生が就職していたことを契機に、2018年に「人間学で読み解く現代社会」としてスタートしました。2023年度からは「人文学へのいざない」と名称を改め、本学人文学部6学科の教員が講師を務め、「人文学とは何か」「人間とは何か」を問い続ける学びの場として継続的に実施されています。

第3回講座では、社会教育学科教授であり附属図書館副館長も務める山中秀夫教授が、「拡張する公共図書館―文化的コモンズとしての交流の場―」をテーマに講演しました。

山中教授は、公共図書館がすべての都道府県、そして全国の約99%の市に設置されている身近な施設であることを紹介するとともに、地域ごとの歴史や文化、人々の特性によって、それぞれ異なる個性を持つ存在であることを説明しました。

さらに、公共図書館が従来の「本を借りる場所」から、人と人、知と経験が出会う「文化的コモンズ」へと拡張している点に着目し、自宅や職場に次ぐ「第3の居場所」としての価値や、まちづくりの核としての役割について解説しました。また、人生100年時代における「知と交流の拠点」として図書館を捉え直し、市民一人ひとりが主体的に関わる意義とその活用方法について紹介しました。

加えて、本は時空を越えて人や地域の記憶を伝え、後世へとつないでいく存在であることにも触れ、図書館の持つ文化的役割について言及しました。

天理大学は、地域社会の文化創造の中核を担う存在として、社会に開かれた大学を目指しています。公開講座はその取り組みの一つであり、地域住民に向けた学習機会の提供を通じて、生涯学習の推進に貢献しています。

大阪市立阿倍野市民学習センター 副所長 能崎能理子氏コメント

市民の方にアカデミックな学習機会を提供したいとの思いから、約10年前、センターとして初めて大学連携事業を天理大学とともに企画しました。天理大学の先生方は当初から真心を込めて講座を準備くださっており、参加者の方々もそれを素直に受け止めておられると感じています。難しい内容であっても、より深く学びたいという意欲につながっているのではないでしょうか。今後も、天理大学の先生方と連携しながら、ライフステージに関わらず学べる場を提供していきたいと考えています。

参加者コメント

  • 毎年楽しみに参加しています。人文学という広い分野を大学の先生から学べる貴重な機会であり、外に出て学ぶことが自身の活力にもなっています。
  • 数年前から参加しています。今回のテーマは、個人的な経験から図書館の意義に関心を持っていたこともあり受講しました。お話を通して、地域との関わりの大切さを改めて実感し、さらに学びを深めたいと感じました。

秋以降も、人文・国際・医療の各分野において、以下の公開講座を予定しています。本学の教育・研究の成果に触れていただける機会として、ぜひご関心のある講座にご参加ください。

〈「大和学」への招待―橿原市の歴史と文化―〉 
 13時30分~15時 かしはら万葉ホール

第1回 10月3日(土)「コレクターと社会 ー19世紀の谷三山蔵書ー」
    講師:黒岩康博(歴史文化学科教授)


第2回 10月17日(土)「久米歌をよむ ―『古事記』神武天皇条の歌謡の世界 ―」
    大谷歩(国文学国語学科講師)

〈多文化理解へのいざない〉 
 13時30分~15時 奈良市生涯学習センター(3階 学習室1・2・3)

第1回 11月21日(土)「多様性に富む英語 -“English”から“Englishes”へ -」
    講師:山本晃司(英米語学科准教授)


第2回 11月28日(土)「中国の雅楽と日本の雅楽 -どこが違ってどこが同じか-」
    講師:中純子(中国語学科教授)

第2回 12月5日(土)「江戸時代の朝鮮通信使から考える日韓交流」
    講師:魯ゼウォン(韓国・朝鮮語学科教授)

〈ウェルネスライフのすすめ〉 
 13時30~15時 かしはら万葉ホール

第1回 10月24日(土)「呼吸筋運動で息切れ防止」
    講師:藤原美子(臨床検査学科講師)


第2回 10月31日(土)「家で最期まで暮らすという選択―終末期の在宅医療と訪問看護の実際―」
    講師:奥田眞紀子(看護学科教授)

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