社会教育学科で「文化資源を生かした中高生向け学習プログラム」の発表会を開催 2025.02.03 人文学部社会教育学科地域・企業との連携地域社会とつながる

天理大学社会教育学科は、1月16日と23日の両日、「文化資源を生かした中高生向け学習プログラム」の発表会を杣之内キャンパス4号棟にて開催しました。

この発表会は、社会教育学科 佐々木保孝教授が秋学期「生涯教育特論4」で、「教育旅行向けの情報発信-文化施設と周辺地域を題材に」のテーマのもと授業を実施し、その学修成果を学生らが発表する場として開催されました。学生らがパワーポイントや自身が作成したチラシ、パンフレットなどを使ってプレゼンテーションを行いました。

「生涯教育特論4」では、学生らが大学の近くにある「なら歴史芸術文化村」およびその周辺地域の歴史や文化の魅力を自分たちなりに解釈し、その思いをもとにして、“こんな講座があったら面白い!”と思える模擬講座のプログラムを作成しました。その際、「中学生・高校生が学ぶ」講座とすることが条件になっていて、若者の目線から、文化資源について学んでいくプログラムの在り方を考えました。

模擬プログラム作成の準備としては、学生自身が「なら歴史芸術文化村」を訪れ、学芸員さんからお話をうかがったり、施設を取材したりしています。同時に、「中高生が学ぶ」ための題材や教材について、他のいろいろな事例を調べたりもしました。“素材の魅力”と“若者が意欲的になる学びのスタイル”を意識した講座づくりに試行錯誤しながら、学生らは、自分たちが得意とする分野や好きなことをベースにした企画、県外の「教育旅行」を想定した企画など、以下のような7つのグループに分かれて学習プログラムを作成し、成果発表をおこないました。

  • 「中高生向け講座をつくってみる-歴史を写せ!inなら歴史芸術文化村 カメラを通して歴史・文化を発見」
  • 「TENRI Learning Tour 文化資源で体験講座」
  • 「史の後継塾 Open Campus×学芸員体験講座」
  • 「奈良をもっと!~cafe & レプリカ修復体験~」
  • 「教育旅行プログラム:奈良の歴史、第一歩」
  • 「ラグビーと奈良の味覚を楽しむ」
  • 「古都奈良の音楽祭」

発表後には、審査員となった教職員から講評が述べられ、学生らが「なら歴史芸術文化村」や周辺地域の魅力を中高生の視点で分かりやすく伝えようと工夫を重ねた点について高い評価がなされました。
また、歴史や文化をはじめ、音楽や写真といった芸術、さらにはスポーツも取り入れたプログラムといった多角的な学習プログラムが作成されたことを評価する声も聞かれました。

社会教育学科では、今後もこのような授業を実施することで、企画の立案から成果物の作成と発信という一連の流れを身につけ、そして地域の未来を考えられるよう、周辺施設と連携した学びを展開していく予定です。

担当教員コメント

佐々木保孝 社会教育学科教授

「なら歴史芸術文化村」は、体験を重視した施設です。文化財が修理される過程だったり、芸術家が作品を生み出す様子だったりを直接見られるのは、来場者にとって他の施設では体験できないですね。また、奈良の情報や特産物、美味しいモノが集まっていて、人々の交流が図られるといったことも特長です。さらに、周辺には日本古来の「山の辺の道」があり、我が天理大学もあります。このあたり一帯は、まさに貴重な文化資源と元気な若者を抱える可能性に満ちた地域だと言えます。
学生たちは、こうした魅力をプログラム化する切り口とは?中高生に伝わる発信とは?ということを一生懸命考えてくれました。成果物を制作する過程で、文化資源の特徴を生かすには自分たちの強みと掛け合わせたほうがよいとか、中高生が“やらされている感”ではない参加意識をもてる工夫が必要だといったことに、学生たちは気づきを得ていたように見えました。
遠隔地の中高生が注目して、足を運んでくれるにはどうしたらいいのか?これまでに無い想定の中で考えるような難しい題材と条件だったと思いますが、学生たちの取り組みに、チャレンジすることの大切さを感じました。

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