
天理大学では2026年度春学期、奈良中央信用金庫の協力による寄附講座「地域金融論」(全15回)を、全学部の3・4年生を対象に開講しました。
天理大学と奈良中央信用金庫は、2022年5月に包括連携協定を締結し、地域経済の活性化や学生のキャリア形成支援など、7つの連携事項を掲げています。本講座は、その中の「人材育成・セミナー開催」を具体化した取り組みであり、産学金が連携して実践的な学びを提供する天理大学の「寄附講座」の一つとして実施されました。
地域金融機関の役割を学ぶ
第2回の授業が行われた4月17日には、奈良中央信用金庫の高田知彦理事長を講師に迎え、「地域金融機関の役割」をテーマに講義が行われました。
高田理事長は、メガバンクや地方銀行、信用金庫、信用組合、農協など、それぞれの金融機関が担う役割の違いを説明したうえで、地域に根差した信用金庫ならではの役割や特徴を身近な例を挙げながら分かりやすく紹介しました。
さらに、奈良中央信用金庫の経営理念や地域密着型金融の取り組み、地域貢献活動についても紹介し、「信用金庫について知ることが、皆さんのキャリア形成の一助になれば嬉しい」と学生へメッセージを送りました。


実践的な学び ― 企業視察と専門講義
授業ではその後も、奈良中央信用金庫の各部署で活躍する職員が講師を務め、
・資産形成
・中小企業金融の基礎
・伴走型金融支援
・地域密着型金融
などをテーマに専門的な講義を実施しました。
また、6月25日の授業では、田原本町の品川工業所を訪問しました。この企業訪問は、教室で学んだ「経営学」や「金融論」を現場の視点から確かめる機会として設けられたもの。学生たちは、工場見学に加え、経営者が語る事業理念、経営の実際を聞くことで、地元金融機関が地域企業に深く寄り添う関係性や、その役割について理解を深めました。
ビジネスプラン作成と最終発表
授業終盤には、学生たちが4グループに分かれ、融資を受けることを想定したビジネスプランを作成しました。
奈良中央信用金庫の役員から助言を受けながら企画をブラッシュアップし、最終授業において、次の4つのプランを発表しました。
1)会社名「半玉製麺」/業種:うどん店
2)会社名「みんなのテンスポ株式会社」/業種:スポーツショップ
3)会社名「喫茶ようき」/業種:喫茶店
4)会社名「チートデイ株式会社」/業種:スイーツ食べ放題
各グループは、起業の目的や経営理念、販売戦略、資金計画、収支計画などを具体的なデータや根拠を示しながら発表し、市場ニーズやターゲット分析についても論理的に説明しました。
発表後には奈良中央信用金庫の役員による講評が行われ、「経営ビジョンが明確で説得力がある」「ターゲット設定がよく考えられている」などの評価とともに、実務の視点から具体的なアドバイスが寄せられました。




春学期の「地域金融論」を通して、学生たちは金融の仕組みを学ぶだけでなく、地域経済の活性化やまちづくりにおいて、金融機関が果たす役割を学びました。
また、社会教育学の視点から、地域づくりや住民参加型のまちづくりと金融との関わりについても考察し、地域課題の解決に向けて、多様な主体が連携することの重要性を実践的に学ぶ機会となりました。