天理高校用木コース3年生が大学で学ぶ(宗教学科・澤井真准教授による特別講義) 2026.06.24 人文学部宗教学科

 6月22日、天理高校用木コース3年生約140名が天理大学を訪れ、宗教学科の澤井真准教授による特別講義を受講しました。当日は宗教学科の学生や、秋学期からブルネイ・ダルサラーム大学(ムスリムが多く暮らす東南アジアの国で、ダルサラーム大学は天理大学の提携大学)に留学予定の学生も受講しており、高校生とともに学びを深めました。

 用木コースの生徒たちは日頃から天理教の教義について学んでいます。しかし、澤井准教授は「高校で学ぶ内容は、広大な学びの入り口に過ぎない」と語り、世界の宗教や文化との関わりの中で天理教を捉える視点を提示しました。

 講義では、イスラーム研究を専門とする立場から、「おふでさき」をアラビア語に翻訳するとしたら何が起こるのか、という問いを取り上げました。

 例えば、『おふでさき』にある「むねのハかりたもの」という表現をアラビア語に訳そうとすると、「神様に胸があるのか」という問題に直面します。日本語では自然に受け取れる表現も、宗教観や文化的背景が異なると、まったく違う意味を持つことがあります。

 また、「親神」という言葉一つをとっても、どのような言葉で表現するべきなのか、誰に向けて翻訳するのかによって伝わり方は大きく変わります。世界人口の約5人に1人を占めるイスラーム教徒に天理教を伝えるとき、イスラームの聖典『クルアーン』が持つ影響力をどのように考えるのかという視点も紹介されました。

 さらに、「太陽の色は何色ですか?」という問いかけでは、多くの生徒が「赤色」や「オレンジ色」と答えました。しかし、アメリカでは黄色で表現されることが多いことが紹介されると、会場からは「そうなんや」「世界共通だと思っていた」という驚きの声も上がりました。このような身近な例を通して、高校生は、言語や文化が変われば、物事の見方や価値観も変わることを学びました。

 講義の中では、翻訳や通訳とは単に言葉を置き換える作業ではなく、相手の文化や価値観を理解しながら伝えていく「終わりのない他者へのアプローチ」であることも語られました。日本語で生活し、日本語で教えに触れてきた私たちにとって当たり前のことも、海外の人々にとっては初めて出会う世界です。天理教を世界へ伝えるためには、言葉だけでなく、その背景にある文化や価値観への理解が欠かせません。

 澤井准教授は、「宗教学科で学ぶ天理教学は、天理教が目指す陽気ぐらしをどのように実現していくかを本気で考える学問です」と語り、世界との対話の中で教えを見つめ直すことの大切さを伝えました。

 講義後、生徒からは、
「アラビア語に触れたことがなかったので、とても新鮮でした。」
「他の宗教について深く知る機会があまりなかったので、天理教を別の視点から見ることができて面白かったです。」
といった感想が聞かれました。

 普段学んでいる天理教を、世界の宗教や文化との関わりの中で見つめ直した今回の講義。生徒たちにとって、自らの学びをより深めるとともに、世界の広さと宗教研究の奥深さを実感する貴重な機会となりました。

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