韓国慶南道立南海大学開催された「2025年度グローカル学術会国際大学生発表大会」（8月25日〜28日）に、「森田 実研究室チーム」の2・3年生8名が参加しました。
今回で第３回目となる「グローカル学術会国際大学生発表大会」は、世界各国の大学生が集い、「ローカル（地域）」に根差した視点を持ちつつ、「グローバル（世界）」にも目を向けた研究を行い、その成果や考察を共有し議論し合うことで、新たな学びやネットワークを育むことが目的です。
天理大学から初めての参加となる今回、挑戦したのは森田 実准教授による授業の１つ、天理大学特別講義5「観光コンテンツの造成と発信」を受講する学生たちです。
これは地元自治体である天理市の行政施策の課題に、天理大学と株式会社モンベルによる産学連携授業の一つとして取り組むものであり、2024年に天理大学・モンベル共同体が天理市と業務委託を締結した「観光・農業振興に向けた産官学連携人材育成事業」の一環です。
事業は7つの業務から成り立ち、そのうちの1つが授業自体を指す「観光・農業人材育成プログラムの作成及び実施」であり、「新たな観光資源の創出」の提案として海外への情報発信を行う今回の活動があります。
学生たちは授業を通して、天理市が抱える人口減少などの課題から、どのように観光都市へ育成できるかを研究し、その成果を発表しました。
今年初参加となる学生たちは4月から綿密に準備を重ね、10大学が参加する本大会で優秀賞である2位を受賞し、学びの成果を大いに発揮しました。
学生たちの発表テーマは「天理市における観光振興の取り組みについて」。
「天理市の地方創生課題をクリアし、魅力を発信して盛り上げていこう、という考えです」と森田准教授。天理市の魅力を歴史・食・自然など多面的に紹介し、かつ天理市の課題である人口減少をカバーするための天理大学の存在意義や、取り組みを発表しました。
内容と同じくこだわったのが、伝わる話し方や時間内に発表を終えること。「その手応えは感じました」と森田准教授は振り返ります。「2年次生と3年次生混合でしたので、それぞれに求めることを発表前に個々に伝えました。できること以上のことは求めず、今の実力を本番で最大限に生かそうと心がけました。特に、韓国に留学中である3年次生の井谷咲多さんと宮成花奈さんが逐次通訳を担当する２言語発表というスタイルが、オーディエンスから良い反応をいただきました」。
通訳を担当した3年次生の井谷咲多さんは、「壇上での逐次通訳は初めてだったので、良い経験になりました。こういった国際的な行事の参加で人との縁をどんどん増やしていきたいです」と述べ、宮成花奈さんは、「天理市の魅力を分かりやすく伝わるように意識しました。初めての体験だったので、今後さらに挑戦していきたいです」と意気込みを語りました。
大きな成果を残し、無事終了した2025年度グローカル学術会国際大学生発表大会。
2年次生の前田健寿さんは「次回は最優秀賞を狙いたい。また海外で大会や実習に参加できる機会があれば継続して挑戦してみたいです」と意欲を燃やしていました。
3年次生の江戸研彦さんは、「他大学のブランド開発力や実行力がすごいと感じたし、ホームタウンを良くしようと取り組む気持ちに共感しました」と刺激を受けた様子でした。
森田准教授は「優秀賞を取った瞬間の学生たちの驚きの様子と笑顔は忘れられません。今回で自信がついた分、それぞれの夢や目標に向かって思いっきり突き進んでほしい」とエールを送りました。
この大会に参加した学生たちの多くが、この秋学期で「天理大学特別講義６ [観光コンシェルジュの育成]」を受講し、産官学連携人材育成事業の1つ「観光案内コーナーの運営」に取り組んでいます。
【日程】
8月25日（月） 釜山空港から宿泊施設へ。現在韓国に留学中の学生2名は現地から合流しました。
慶南道立南海大学にてオリエンテーションが行われました。
26日（火） 2025年度第３回グローカル学術会国際大学生発表大会
27日（水） 釜山市内にて韓国文化プログラムへの参加を通して、異文化理解またグローカルな学びを体験しました。
28日（木） 釜山市内ホテルで解散。新たに2名が現地に残り、韓国留学をスタート。
12月6日には、南海大学の学生が来日し、天理駅前広場コフフンで開催された「てんだいフェスタ」の「コーヒーバトル」に参加。天理大学の学生とともにオリジナルコーヒーを来場者に提供し、国際交流を深めました。
