
12月10日、奈良県立添上高等学校普通科人文探究コースの2年生38名が、天理大学杣之内キャンパスで探究活動授業を行いました。
この授業は、高校生の探究的な学びを深化・発展させることを目的に、フィールドワークやバズセッション、コミュニティ形成などを通じて課題設定能力やプレゼンテーション力を養う取り組みであり、高大連携事業の一環として、昨年度に続き天理大学で実施されました。
オリエンテーションでは、山中秀夫人文学部長が「大学での学び」をテーマに講話。年間行事予定をスライドで示し、高校と大学の1年間の流れを比較して説明したり、授業形態(講義・演習・実習)の違いをわかりやすく説明しました。また、「5年後、10年後の自分をイメージし、今必要なことを考える」ことの重要性も伝えました。


探究活動(5グループ)
その後、高校生は5つのグループに分かれ、人文学部教員・在学生とともに活動を実施しました。
① 国文学国語学科 「名所」の今昔を知り、観光マップをつくろう!
大学周辺の石上神宮や史跡を巡り、情報ライブラリーのUテラス(アクティブラーニングエリア)スペースのレッドエリアでオリジナルマップを作成しました。


② 歴史文化学科 絵馬や歴史遺産を通じての講義・ワークショップ
絵馬に関する講義を受けた後、附属天理参考館で展示物を見学。また、石上神宮で国宝や絵馬についての解説も受けました。


③ 社会教育学科 「なら歴史芸術文化村」を若者目線で堪能しよう!
「なら歴史芸術文化村」を訪問し、まず施設概要を学習しました。在学生のアドバイスも受けながら、高校生目線でイベント企画を検討し、活動内容報告では「衣類に特化したフリーマーケット」案を発表しました。


④ 社会福祉学科
・ホースセラピーを体験しよう!
馬の特徴やセラピー効果を学ぶだけでなく、ブラッシングや乗馬を体験しました。



・「身近な出来事から社会福祉を考える」
社会福祉学科で学ぶ在学生2名が主体となって授業を進めました。アイスブレイク「他己紹介」では、在学生と高校生がペアとなり、互いにインタビューを実施。授業では、地域包括ケアシステムにおける「自助・互助・共助・公助」について学びました。


活動実施後、各グループがスライドやイラストを用いてプレゼンテーションを実施しました。大学の担当教員からは「高校生の積極的な参加が在学生の学びにもつながった」「面白い企画が生まれた」との講評がありました。

閉会の言葉で、山中人文学部長は、「自分の体験や発見を発表することで振り返りができ、それが学びとして蓄積されます。今回の経験を高校生活、そしてその先の学びへつなげてください」と語りました。
添上高校の担当教員は、「昨年度より学びが深まり、発表も具体的で伝わる内容になっていました。」と感想を述べました。
天理大学では、高校生に学びの深化への関心を高めてもらい、将来の進路選択に役立てられるよう、大学教職員や在学生ともに、今後も高大連携事業を進めていく予定です。