【研究紹介】「ホースセラピーの新規評価法に関する国際学会での報告」 2025.09.25 人文学部社会福祉学科教育・研究社会連携受験生の方へ在学生の方へ受験生の保護者・高校教職員の方へ企業・一般の方へ世界とつながる地域社会とつながる # ホースセラピー

 人文学部社会福祉学科の昇 寬 教授が、今年9月に韓国(釜山)で行われた国際学会(注1)において「ホースセラピーの評価―立ち直り反射に焦点を当てて―」(Evaluation of Hippotherapy   ― Focusing on the Righting Reflex ―) と題して研究成果を報告されました。

 本報告は馬が歩行(又は走行)中、ヒトが馬上での騎乗座位姿勢をどのようにして保持しているのかを定量的に測定する研究手法に関するものです。ヒトは座位姿勢での揺れ(外乱)に対し、通常は姿勢反射(立ち直り反射)を生じさせて対応しています。しかし、馬場での馬上の揺れはリズム・強度・角度(傾斜)などが必ずしも規則的でないことが予測できます。つまり、ヒトの乗馬運動は馬上という予測し難い動物の背の揺れに対して、敢えて予測的姿勢制御を繰り返す運動を行っていると言えます。

 今回、昇教授は乗馬療法の中でも揺れに対する身体的評価を検討するにあたって、新たな評価装置として「座位バランス運動器(予測的姿勢制御装置)」(実用新案取得済;実願2025-001355)を考案・開発されました。本来は馬上での状況を評価するのが理想的ですが、馬上という高さや移動を考慮すると評価が困難と考え、馬上以外での外乱に対する姿勢制御評価の変法装置として考案されたものです。報告では、座位バランス運動器とともに、その使用方法と可能性について説明されました。

 天理大学では、今後も引き続きホースセラピーの取り組みを通じて教育・研究活動を展開していく予定です。

注1 The 38th International Meeting of Physical Therapy Science in Korea. (於:Silla University)における発表.

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