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 【リレーエッセイ 感染症と人類9】

利他的な意識と活動をポストコロナの基盤に

渡辺一城 教授(人間学部人間関係学科社会福祉専攻:地域福祉、天理教社会福祉)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの方々が感染症に苦しみ、あるいは仕事と収入を失い、いわれのない差別や偏見とたたかっています。飲食業や宿泊業などの打撃は大きく、内閣府「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」報告書によれば、もともと非正規雇用また女性従業員の割合が多いこれらの業種を中心に、多くの女性が仕事を失っていることが明らかになっています。シングルマザーならば、その子どもにも大きな影響を及ぼします。女性の自殺者やDV相談者の数も増加しており、コロナのマイナスな影響は女性そして子どもなど、社会的に弱い立場の人たちに及んでいるのです。
 
福祉活動にもコロナは大きな影響を及ぼしています。例えば、地域住民などにより無料あるいは低価格で食事を提供するコミュニティでもある「子ども食堂」は、ひとり親あるいは両親が共働きで必ずしも温かい食事を摂ることができない子どもたちにとって、他の子どもや大人たちとコミュニケーションをとりながらつながることができる居場所になっています。しかし、昨年来、大勢の人たちが集まることができなくなり、多くの子ども食堂が活動の休止に追い込まれました。お弁当をつくって配布する形態に代えて活動を再開した子ども食堂も多く見受けられますが、これまでのようなコミュニティの場として機能させることが難しくなっています。高齢者を対象とした交流活動である「ふれあいサロン」なども含め、このような地域の人々がつながる機会が少なくなり、社会的に弱い立場の人たちの地域社会からの孤立がより深刻化してしまうことが懸念されています。
 
私は数年前から「フードバンク」の活動にかかわっておりました。フードバンクとは家庭や企業などで余っている食品を提供していただき、食品を必要とする人やこれを支援する活動団体にお渡しする活動です。全国に約100のフードバンク活動団体があります。私がかかわっていたフードバンクでは、子ども食堂や福祉施設、生活困窮者支援を行う社会福祉協議会など、活動団体や施設等に食品を提供していました。コロナ禍で生活に困窮する家庭が増加する状況のなかでは、こうした活動に加え、関係団体の支援や行政からの委託を受けて、生活困難を強いられている子育て家庭に食品を送ったり配布したりする個別的な支援活動を展開しています。
活動がかなり認知されてきて、フードドライブ(家庭から余った食品を持ち寄って寄付する活動)や食品を送ったり配布したりする活動には多くの地域住民やボランティアの協力が得られます。こうした地域住民等の「こんな時だからこそ支え合い助け合おう」という利他的な意識と行動はものすごく貴重です。今後の「ポストコロナ」社会の基盤にしていかなければなりません。みなさんも今できることを考えてみませんか。

フードバンク奈良によるフードドライブ・紹介展示(2019年12月、奈良市はぐくみセンターにて)
フードバンク奈良によるフードドライブ・紹介展示(2019年12月、奈良市はぐくみセンターにて)

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