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 【生涯学習】

《公開講座記録》【外国語への招待】香港で働くインドネシア人女性が『小説を書く』ということ—越境する文化的イスラーム

第2回 ● 平成26年10月4日(土) 午後1:00
テーマ ●  香港で働くインドネシア人女性が『小説を書く』ということ—越境する文化的イスラーム
講 師 ●  澤井 志保 言語教育研究センター講師

内容

 2000年代に入ってから、香港、台湾、マレーシア、シンガポールなどのアジア諸国にて、大規模な外国人家事労働者(Migrant Domestic Workers, MDWs)受け入れが行われています。このような状況で、各受入国において、雇用者の家庭というプライベートな空間に入って仕事を行うMDWsを円滑に社会統合していくための試みがなされています。その中でも香港は、政府によるMDWS雇用システムの整備により、雇用主とMDWsの権利と義務が、比較的明確に規定されていることが、MDWsが法定休日を利用して、活発な社会活動に参加できる環境を生み出したといわれています。

そこで、本講座においては、香港の例を取り上げて、香港でのMDWsの中でもフィリピン人に次ぐマジョリティであるインドネシア人MDWsによる、イスラーム文学創作グループの活動を詳細に検討し、MDWsの社会運動グループにはどのような背景や目的、意義があるのかについて、下記の点から考察しました。
(1)香港で働くインドネシア人MDWsをとりまく環境
(2)香港で働く外国人MDWsによる社会運動の活発化の経緯
(3)イスラーム文学創作運動の活動形態
(4)文学創作における傾向
(5)テクストの内容

(1)では、香港にて共働き家庭がほぼ常識となった結果、女性の賃金労働が社会規範化し、各世帯での親密労働(ケア労働)を受け持つ人員が不足しはじめたことの帰結として、外国人MDWsの雇用が拡大した経緯を検討しました。

(2)では、香港政府によるMDWs雇用にかかる規制や、香港の社会環境があいまって、MDWsによる社会運動の気運が盛り上がる様子について、データを中心に説明しました。加えて、今回取り上げたイスラーム文学創作グループが、実は、インドネシア国内におけるイスラーム運動のリバイバルと、それに紐づく『文化的イスラーム』実践の高まりから生まれたものであり、もともとはインドネシア国内の運動であったものが、女性移住労働者によって香港に持ち出されたという経緯について指摘しました。

(3)においては、当該グループのメンバーの出身地や年代などの大まかな傾向とともに、活動形態について紹介しました。特に、このグループが、文学創作グループと自らを銘打っているにも関わらず、イベント企画運営や貸本ビジネスなどにも積極的に関わっており、場合によってはスポンサーなども活用しながら、自己資金による運営を行っている点に注目しました。この意味において、このグループは、メンバーたちが相互学習による自己啓発を行ったり、コンピュータ使用のスキルを磨いたり、また、ビジネスチャンスを自由に模索するような自己可能性の追求の場となっていることにも言及しました。

(4)については、メンバーたちが書いた文学創作作品に見られる一般的傾向をまとめ、(5)においては、実際にメンバーの創作作品を引用しつつ、プロットと分析をしながら、そのテクストから読み取れるメッセージについて詳察しました。

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