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 【生涯学習】

《公開講座記録》【天理大学公開講座】認知症の理解

第5回 ● 平成26年6月7日(土) 午後1:30
テーマ ●認知症の理解
講 師 ●松田 美智子 人間関係学科教授

内容

認知症とは症状(状況を示す用語)であり疾患名ではありません。その症状が出る原因疾患があります。原因疾患は沢山あり、まずは原因疾患の治療により症状が消失するものと現状では完治が望めないものとの鑑別診断を早期に受けることが重要です。完治は望めなくても早期に治療や療養環境を整えることで、進行が緩やかになります。認知症では記憶障害を中心に進行性に認知機能が低下して、様々な生活障害が発生します。加齢と共に認知症は増加しますが、成年期以降に生じるものを総称するので認知症は高齢者だけの問題ではありません。

記憶のメカニズムは、様々な情報を脳にインプットする記銘力→情報を脳に保持する→必要な場面で保持した情報を取り出す想起力から成り立ちます。単なる物忘れは想起力障害でもあります。自分が思い出せないことを自覚し、しばらくすると思い出せるようなら単なる物忘れで心配はありません。しかし、誰かとした約束自体を失念してしまう・大切なものをしまった場所が分からず泥棒が入ったなどと作り話をする・手順通りに料理ができず味付けがおかしい・同じ物を繰り返し購入する・収集日にゴミ出しができないなどが頻繁に現れてきたら、早めに専門医にかかりましょう。こういったことは自ら気づけないこともあるので、特におひとり暮らしの方は人と交流する機会を積極的に持つようにし、自分の身に起こっているちょっと妙な現象についても助言して頂けるような交友関係作りに留意することが大切です。

現在の日本で多くみられる認知症の原因疾患は主に以下の4つです。最も多いアルツハイマー病は著明な記憶障害が特徴です。記憶障害による日常生活の困り事の解決をお手伝いする人がケアパートナーとして見守ることで通常の生活を継続することが可能です。脳卒中に伴う血管性認知症は減少傾向にありますが、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病になりにくい生活を心掛けることで、唯一予防が可能な認知症です。レビー小体病はパーキンソン病の方に併発することが多く、幻視(見えないものが見えるという認知の障害)を中心とする幻覚や睡眠障害(睡眠中に覚醒して突然暴れるなど)が生じることが多いので、認知症とは気づきにくい場合もありますが、早期からの薬物療法が有効で幻視に伴う不安を軽減するような環境整備を行うことで進行を緩やかにすることが可能です。ピック病は若年性認知症に多く、温和な人が怒りっぽくなった・几帳面な人がだらしなくなった・突然万引きを始めたなど人格変化が特徴的です。

認知症の人を放置しておくと、本人が人間関係障害を起こして孤立したり健康生活を維持できなくなるだけではなく、悪質商法の被害者になったり、自動車の運転操作を誤って事故を起こす・一方通行の逆走・遮断機の下りている踏切への侵入・交通法規が守られないなど周囲の人を巻き込むトラブルも最近では増加しています。認知症の人は被害者にも加害者にもなりうる可能性が大きく、世帯構成員数が減少している昨今では家族介護だけでは限界があります。

現状では医学的な治療にも限界もありますが、「ゆっくり・一緒に・楽しむ」をキーワードに本人主体の生活を維持する環境を整え、健康管理への支援を行うことで認知症になっても普通の生活を継続することは可能です。そのためには地域社会や一般市民の理解と協力が不可欠で、平成25年度から認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)が展開されています。早期診断・早期対応が可能になるよう医療・福祉・保健の専門家から一般市民まで巻き込んで、認知症になっても地域社会の中でその人らしい暮らしが継続できるよう様々な支援策を進めています。詳しくは最寄りの地域包括支援センターなどを訪ねてみて下さい。

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