連続シンポジウム「グリーフケアの可能性③」天理大学にて開催

3回にわたる連続シンポジウム「大切な人を失った悲しみを抱いて—グリーフケアの可能性」は、9月24日(土)、天理大学にて無事に幕を閉じた。オーストラリアからジャーナリストのヘレン・ブラウンさんをお招きした今回のシンポジウムは、第1回「子どもの死を考える」を9月19日に東北大学宗教学研究室(仙台)にて、第2回「グリーフケアを身近に」を22日、東京天理ビル9階ホール(神田)にて、そして第3回「出産の場におけるグリーフケアの可能性」を24日に天理大学で開催した。

天理大学でのシンポジウムは、永尾教昭天理大学学長の挨拶から始まり、主催者の文学部教授・安井眞奈美が趣旨説明を行った。その後、ヘレン・ブラウンさんが「子どもを失った哀しみを抱いて」と題して、ノンフィクション作品『クレオ』を基にした基調講演を行った。さらに、大阪大学医学部附属病院胎児診断治療センター副センター長の遠藤誠之さんが、産科医療の現場でのグリーフケアの実践と課題について発表し、宮城学院女子大学非常勤講師の鈴木由利子さんは、子どもの死を考える視点を提示して、流産や死産の哀しみを抱く人々とともに活動をされている「With ゆう」の取り組みを紹介した。また、天理大学おやさと研究所教授の堀内みどりさん、お茶の水女子大学名誉教授の波平恵美子さんが発表についてコメントし、全体を通してのディスカッションとなった。
当日は、医療従事者を含む多くの方々が参加し、ヘレンさんにはさまざまな質問が寄せられた。ヘレンさんは質問に答えながら、「愛する人を失った哀しみを乗り越える必要はなく、それを受け入れ、明るさを失わず過ごしていくことが大事」とのメッセージを伝えた。
シンポジウムの成果について安井教授は、科研の報告書としてまとめ、より多くの方々に伝えていきたいと抱負を語った。


関連リンク
- 天理大学考古学・民俗学専攻Facebook
- 歴史文化学科考古学・民俗学専攻
- 文学部