安井眞奈美教授、京都市立堀川高校にて講演

10月8日、文学部考古学・民俗学専攻の安井眞奈美教授が、京都市立堀川高等学校コミュニティカレッジ講演会に招かれ、約250名の2年生に「妖怪と出産——怪異のイメージを追って」と題して講演した。講演では、まず民俗学や文化人類学のおもしろさが、パラオ共和国のフィールドワークをもとに紹介され、異文化・パラオより改めて日本の文化を見つめ直す重要性が指摘された。その後、現代日本の出産について、どのような場所で出産できるのか、具体的な情報が提示された。
次に安井教授は、「妖怪と出産」というテーマについて、亡くなった妊産婦の妖怪であるウブメを素材に、江戸の妖怪画を紹介しながらイメージの変遷を追った。またウブメのような怪異が世界のどの地域に見出せるのか、怪異の人類学にむけての可能性が示された。

また生徒全員が取り組んだ「妖怪を創るワークショップ」では、できたばかりの妖怪が紹介されると、あまりのリアルな妖怪に笑いが沸き起こる場面もあった。
最後に本講演会担当の生徒さんから、「妖怪と出産という全く異なるテーマを合わせることによって、興味深い研究に発展することをご紹介いただきありがとうございました」と挨拶があり、講演会は幕を閉じた。
この後、十数名の有志の皆さんと別室で座談会が開かれ、「18世紀に妖怪が娯楽化する中で、妖怪の怖い部分も消えてしまったのですか」「パラオでは誕生や死にどのような儀礼がありますか」といった興味深い質問が寄せられた。
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