生涯学習特論6(プロジェクトマネジメント論)
― 橿原市と連携し、地域課題に挑んだ成果発表を実施 ― 2026.01.27 人文学部社会教育学科社会連携地域・企業との連携

1月16日、人文学部・森田実 特任准教授が担当する授業「生涯学習特論6(プロジェクトマネジメント論)」で、秋学期の学びをまとめた成果発表会を行いました。

「生涯学習特論6」は、社会教育や生涯学習の現場で求められる プロジェクト型の企画・運営力を実践的に身につける科目です。授業では、地域の課題を知り、企画を立案し、発表するまでのプロセスを体験します。学生のキャリア形成にも直結する、実践色の強い授業です。

森田特任准教授は、これまで天理大学社会連携センター主催「てんだいフェスタ」での“コーヒーバトル”や、JR西日本の沿線プロモーション「ならSLOW&LOOP」など、地域と連携したイベントに多数携わってきました。

今年度秋学期の授業は、橿原市および橿原市観光協会から、「ならSLOW&LOOP」沿線の一つである「万葉まほろば線」において「若者の視点で情報発信や企画を行ってほしい」との依頼を受け、天理大学社会教育学科×橿原市のコラボ授業として実施されました。

■ 10月3日【橿原市観光協会“若者の視点”で地域活性化を依頼】

この日のガイダンスでは、橿原市観光協会より、藤原宮跡・大和三山・今井町などの観光資源、現状の課題、「若者の力への期待」が学生に伝えられました。学生には、JR香久山駅・畝傍駅・金橋駅の3駅をテーマに、周辺の観光振興プランを企画するミッションが提示されました。

森田特任准教授からは、「チーム内で役割分担を明確にすること」、「事前学習(各自治体HP等)を行い、観光協会と調整したうえで現地視察を実施すること」が課題として掲げられました。

■中間報告会(11月28日)

中間報告会では、観光協会の方々を前に、3チームが企画を発表しました。

● JR香久山駅チーム
 駅を“通過点から目的地へ”変えるため、
・イルミネーション
・キッチンカーによるグルメフェス
・散策イベント「香具山さんぽ」

● JR畝傍駅チーム
 夜間観光に着目し、
・駅舎・今井町のライトアップ
・宿泊体験の導入
・SNSを活用した魅力発信

● JR金橋駅チーム
 イオンモール橿原の強みを活かし、
・駅利用者への特典プレゼント
・駅×イオンのビアガーデン
・インフルエンサーを活用したPR

■成果発表会(1月16日)

当日は、橿原市副市長、JR西日本阪奈支社副支社長、奈良県観光局、奈良商工会議所、橿原市観光協会など多くのゲストを迎え、秋学期の学びの集大成である最終提案を披露しました。学生たちは中間報告での助言をふまえて企画を磨き上げ、ブラッシュアップした観光振興案を発表しました。

● チーム家具やま:「香久山駅周辺エリア活性化プロジェクト」


 提案名:「きらめく街で歩いて食べて満たされる心」

 ねらい:利用者の少ない香久山駅を、“通過点から目的地へ”。
     観光・地域活性・満足度向上 → 将来的に駅を“目的地化”。
 
コアアイデア
 ①イルミネーション(橿原の歴史×光)
  大和三山モチーフのシルエットや自然光演出で、写真・動画の拡散を狙う。
 ②キッチンカーによるグルメフェス(年6回)
  季節・トレンドを押さえ回遊性を創出。会場は藤原宮跡前や駅前を想定。
 ③「香具山さんぽ」散策ルート
  2つのモデルコースを設定し、散歩マップを駅・周辺施設に設置。

 SNS施策:
 「イルミネーション・フォトコンテスト」「#香具山さんぽ」拡散で自然流入と再訪を促進。

●チーム畝傍:「光で呼び戻す、畝傍の新しい夜」


 ねらい:夜間の観光需要に着目し、畝傍駅と今井町を夜の回遊拠点に。
     継続開催で“夜の魅力発信拠点”として定着。
     観光客と住民が交わる交流型の夜間観光を創出。
 
 コアアイデア:
 ①ライトアップ
  畝傍駅〜今井町を提灯で幻想的に演出。防犯・人流増にも寄与。
 ②宿泊体験の導入
  施設活用・民泊開放・リーズナブルな料金設定で滞在時間を延長。
 ③回遊コンテンツ
  かご移動体験、着物の“なりきり”、食文化イベント「食の江戸」など歴史文化×体験を展開。

 SNS施策:
 ターゲットは15〜40歳(写真・カフェ・ゆる旅層)。
 TikTok/Instagramで「夜景」「散歩」「店舗紹介」「レトロ×夜景」を定期発信し認知度を可視化。

●チームTGB「金橋駅を利用せざるを得ない(得する)プロジェクト」


 提案名:「金橋とイオンで広がる休日」

 ねらい:既存資源であるJR金橋駅から徒歩10分圏内のイオンモール橿原の強みを最大活用。
     金橋駅の乗降増と周辺渋滞緩和を同時に狙う。
     毎年継続できれば、地域プロジェクトへ発展。
 
 コアアイデア:
 ①駅利用者限定の特典
  交通系ICで利用確認 → 金券・ノベルティを付与。
 ②駅×イオンのビアガーデン
  駅利用者はIC提示で500円割引 → 公共交通へのシフトを促す。
 ③インフルエンサーPR
  企画認知の底上げ(要交渉)。

3グループの発表後にはゲストによる講評も行われました。橿原市副市長からは、「学生ならではの視点が多く、参考になる提案ばかり」との感想が述べられました。JR西日本 副支社長は、「既存の資源を活かす発想が良い。実装の可能性を感じた」と総括し、奈良県観光局松井氏は「検討を通じて奈良への関心が高まったことが嬉しい」と述べました。

また、橿原市観光協会 松井常務理事は、「キャッチーなフレーズなどは地域ブランディングに活かせる。住民が誇りを持てる企画として、実現の際はぜひ協力をお願いしたい」と継続した協力に期待を寄せるとともに、実現性・継続性・地域愛着の醸成という観点で高い評価が持てることを学生たちに伝えました。

学生からは、「駅ごとに違う強みを活かせることがわかった」「授業をきっかけに橿原市への興味が高まった」といった声が上がりました。

天理大学では、今回の連携をはじめ、県内自治体との協働を継続し、学生にとっても地域にとっても価値のあるプロジェクトを今後も展開していきます。

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