「日本女性会議2025橿原」シンポジウムに天理大学の学生・教員が登壇 2025.10.09 人文学部社会福祉学科体育学部体育学科6つのCONNECT

「日本女性会議2025橿原」(10月3日~5日)の全体会「橿原大会シンポジウム」に、天理大学から体育学部体育学科の田里千代教授、社会福祉専攻の前田ひなたさん(4年次生・須磨翔風)、体育学科の有川舞さん(4年次生・広島皆実)が登壇しました。

「日本女性会議」は、男女共同参画をテーマとした国内最大級の大会で、社会の課題解決に向けた提言や、参加者同士の交流・情報ネットワークの構築を目的としています。
第40回となる今回は、「日本国はじまりの地から未来へ~多様性を認め合う社会の実現を~」をテーマに掲げ、奈良県で初めての開催となりました。橿原は、日本初の都「藤原京」が置かれた地であり、史上初の体系的な法律「大宝律令」が制定された場所でもあります。国号「日本」が初めて使われたこの地には、国のはじまりを支えた女性たちの足跡が息づいています。

今回のシンポジウム登壇は、「日本女性会議2025橿原」実行委員として当初から参画している、堀内みどり名誉教授 兼 附属おやさと研究所主任の働きかけにより実現しました。体育学部を擁する本学に対し、「スポーツ」をテーマとした企画の協力依頼があり、教員と学生が登壇する運びとなりました。

大会2日目の全体会は、橿原市文化会館大ホールにて開催されました。まほろば円舞会ダンス部による「万葉ダンスファンタジー~持統女帝の愛と葛藤の生涯~」で幕を開け、その後、開会式・基調報告が行われました。

続いて行われたシンポジウムでは、「未来にも輝けるスポーツライフを目指して~心身の健康とそのケア~」をテーマに、元プロマラソン選手の有森裕子氏がメインパネリストとして登壇。本学からは、コーディネーターとして田里千代教授、パネリストとして創作ダンス部所属の前田ひなたさん、剣道部所属の有川舞さんが参加しました。

シンポジウムでは、スポーツ界に根強く残るジェンダー課題を背景に、女子アスリートが抱える身体的・精神的な負担などについて意見が交わされました。
有森氏は、現役時代の経験を交えながら、心身のケアの重要性や、周囲の理解・支援の必要性を訴えました。

学生からの「プレッシャーとの向き合い方」についての質問には、「緊張してドキドキするのは、生きているからこそ感じられるもの。自分が自分に期待している証拠で、素晴らしいことだと思う」と語りました。
また、「ケガをどう克服したか」という問いには、「怪我や病気で思うように進められない時は、“ブレイクタイム”だと思って、ネガティブに捉えないでほしい。その時にしか体験できないこともある」と、前向きなメッセージを送りました。

同会場では、天理大学体育学部「体力学研究室」による体力測定ブースも設けられたほか、午後からは、各分科会の報告をはじめ、特別講演会や記念シンポジウムが開催され、参加者同士の活発な交流が行われました。

天理大学では、今後も「誰もが自分らしく生きられる社会」の実現に向けて、学生・教職員が積極的に取り組んでまいります。

学生コメント

前田ひなたさん(社会福祉専攻4年次生・須磨翔風)
有森裕子さんからの力強い言葉で、スポーツに対する考え方や価値観が大きく変化しました。また、「生きてさえいれば何度でもやり直せる」という言葉が特に心に残りました。教育者としての姿勢や、女性としてのスポーツとの向き合い方、さらにはジェンダー問題まで、幅広い視点から学ぶことができました。

有川舞さん(体育学科4年次生・広島皆実)
この度は橿原大会シンポジウムに参加させていただき、誠にありがとうございました。
とても貴重な経験をさせていただき、嬉しく思います。有森裕子さんから学んだことを、選手として、また指導者としてこれからのスポーツ活動に繋げていければと思います。

教員コメント

体育学部体育学科 田里千代教授
今回のシンポジウムでは、スポーツにおける女性の心身に関わる問題を取り上げましたが、有森さんからはそもそも学校教育において男女ともに人間の身体の仕組みを十分に教えられていないのではないかとの指摘がありました。また、今後は多様性を理解しすべての人々が安全・安心にスポーツを行うことができる環境作りが大切であることが述べられました。有森さんに語っていただいたメッセージを学生らにしっかりと伝えていきたいと思います。

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