
現在、奈良県立橿原考古学研究所では、2024年度発掘調査速報展『大和を掘る40』(7月19日~9月7日)が開催されています。
本展覧会は、前年度に奈良県内で実施された発掘調査の成果をいち早く公開する速報展で、今年、40回目を迎えました。今回は、縄文時代から鎌倉時代までの28遺跡について、出土遺物約500点が展示されており、調査の様子を記録した写真もパネル形式で紹介されています。



ここでは、天理大学人文学部歴史文化学科考古学コースと天理市教育委員会が共同で毎年実施している「東乗鞍古墳発掘調査」の成果も多数展示されており、本学の教育・研究活動の一端がご覧いただけます。また、同時に展示されている香芝市「狐井稲荷古墳」と川合町「史跡 大塚山古墳」については、今回の展示内容には含まれていませんが、物理探査を天理大学考古学コースが担当しています。
展覧会に併せて、各担当者が発掘調査について報告する「土曜講座」が開催されており、8月9日には天理大学人文学部 歴史文化学科の橋本英将教授が「東乗鞍古墳の発掘調査成果-2024年・2025年の成果を中心に」と題して講義を行いました。
橋本教授は、まず東乗鞍古墳の概要を説明し、2018年から継続して行われている調査の成果を報告。2024年・2025年の調査内容については、資料や地図、写真を用いて詳しく解説しました。講義の最後には、これまでの成果を振り返るとともに、今後の調査に向けた課題についても言及。会場には多くの来場者が集まり、熱心にメモを取りながら講義に耳を傾けていました。

この日の講座では、橋本教授のほか、奈良市教育委員会の柴原聡一郎氏、橿原考古学研究所の横山舞氏・小泉翔太氏も登壇し、それぞれの調査成果について報告が行われました。
奈良県の最新の発掘成果を間近でご覧いただける本展覧会は、県内の豊かな文化財に触れる貴重な機会です。ぜひ足をお運びください。
歴史文化学科 橋本英将教授コメント
学生たちと積み重ねてきた調査成果を熱心に聞いていただき。大変ありがたく思いました。今後の調査の励みになります。