
9月27日、天理大学杣之内キャンパス研究棟3階第1会議室で、「第4回関西高校生スペイン語レシテーション(朗読・暗誦)コンテスト」(主催:外国語学科スペイン語コース)を開催しました。
当日は、大阪金剛インターナショナル中高等学校、関西創価高等学校、奈良県立国際高等学校、兵庫県立国際高等学校の4校から16名の高校生が出場。朗読部門と暗誦部門に分かれ、日頃のスペイン語学習の成果を披露しました。
ロルカの詩に込められた世界を、自分の声で表現
今回の課題文には、スペインを代表する詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩を選定しました。没後90周年を記念したもので、月や水、緑などのイメージにさまざまな意味が重なるロルカの作品は、容易に読み解くことのできない奥深さを持っています。
出場者たちは、作品の難しさにも積極的に向き合い、詩に込められた感情や情景を、自分自身の声で伝えようと練習を重ねてきました。
発表では、声の抑揚や間の取り方に工夫を凝らすだけでなく、表情やジェスチャーも交えながら、一人ひとりがロルカの詩の世界を表現。同じ作品でも、語りかけるように朗読する発表や、感情を力強く打ち出す暗誦など、その表現方法はさまざまでした。詩をどのように受け止め、どのように聞き手へ届けるのかを考えた、それぞれの練習の積み重ねが感じられる発表となりました。
卒業生が語る、スペイン語の先に広がる世界
審査結果を待つ間には、本学卒業生の長谷川来夢さんによる講演「言葉の先にある景色―メキシコの山奥からみた新世界」を行いました。山本匡史教授の紹介で登壇した長谷川さんは、留学中の経験を写真とともに紹介しました。
留学先で先住民マサテコの村を目指した際、フィールドワークに誘ってくれたクラスメイトのスペイン語を聞き間違え、果てしない山道を越えてようやく目的地にたどり着いたエピソードなど、現地での体験を臨場感たっぷりに語り、会場を沸かせました。
また、村での暮らしを通して、相手の背景を知ることで理解が深まった経験や、他人との比較にとらわれず挑戦する勇気を得たことについても紹介。周囲への感謝とともに、留学で広がった自身の世界が、現在の仕事や生き方にもつながっていることを伝えました。 最後には、「いま挑戦していることがある、それだけで素晴らしい」と高校生へエールを送り、参加者は熱心に耳を傾けていました。

詩から音楽と踊りへ、スペイン文化を体感
また、奈良県大和高田市の「Aldea Narita 成田真澄フラメンコ教室」の協力によるフラメンコが披露されました。
ギターや歌、手拍子に踊りが重なると、会場は一気にスペイン・アンダルシア地方を思わせる雰囲気に。詩の言葉を通して触れたスペイン文化が、今度は音と動きによって目の前に広がりました。 最後の一曲では、発表を終えた高校生や本学学生、教員も衣装を身に着けて踊りの輪に加わり、フラメンコを体験しました。プロダンサーの動きをまねながら、笑顔でリズムに合わせて体を動かすうちに、会場は一体感に包まれました。


学生が大会を支え、スペイン語を通じた交流を深める
大会の運営では、本学外国語学科の学生で構成される「アルコイリス会」が、受付や会場運営、司会進行などを担当しました。
上野あいみさん(スペイン語コース3年次生・天理高校出身)がスペイン語で開会の挨拶を行い、徳井快香さん(スペイン語専攻4年次生・名張青峰高校出身)と野口陽さん(スペイン語コース3年次生・一条高校出身)が、日本語とスペイン語の両言語で司会を務めるなど、大会を円滑に進行しました。
大会終了後には、柳和真さん(スペイン語コース1年次生・玄界高校出身)の元気な「¡Salud!(乾杯!)」の掛け声とともに懇親会がスタート。高校生たちは小グループに分かれ、大学生の進行のもと、コンテストを振り返りながら互いの健闘をたたえ合いました。


高校の先生方や審査員からは、年々高まる発表レベルへの驚きや、「毎年楽しみにしている」といった声が聞かれました。また、詩人ロルカの生涯や生きた時代について語り合うなど、スペイン語や文学をめぐる交流も広がりました。
本学学生の中には、かつて高校生としてこのコンテストに参加した学生の姿もありました。
高校生から大学生へ、スペイン語を通じた学びとつながりが次の世代へ受け継がれていることを感じさせる一日となりました。 (国際学部外国語学科 野口茂・橋本和美)
なお、入賞者は以下のとおりです。
【朗読の部】
優勝 三谷賢吾さん(兵庫県立国際高等学校3年)
準優勝 栗栖蘭さん(奈良県立国際高等学校2年)
第3位 兼本優衣さん(兵庫県立国際高等学校3年)
特別賞 山崎麗桜さん(兵庫県立国際高等学校3年)
特別賞 上田弘美さん(関西創価高等学校3年)

【朗読の部】
優勝 前田摩耶さん(奈良県立国際高等学校2年)
準優勝 殿尾優里菜さん(大阪金剛インターナショナル中高等学校1年)
第3位 山下心愛さん(兵庫県立国際高等学校3年)
特別賞 山本泉究さん(奈良県立国際高等学校2年)
特別賞 岡田美風さん(兵庫県立国際高等学校3年)

入賞者には賞状や楯、副賞のほか、(株)志摩スペイン村様からペアパスポートが、(株)朝日出版社様、(株)三修社様、(株)同学社様、(株)白水社様からはスペイン語の参考書が、また本学の海外協定校であるメキシコのプエブラ栄誉州立自治大学(BUAP)からは記念品がそれぞれ贈呈されました。
ご後援いただいた関係機関ならびに高校の関係者の皆様、そして参加者お一人おひとりに心より御礼申し上げます。
審査委員 ファン・ロペス准教授のコメント
今年度で第4回を迎えたスペイン語レシテーションコンテストでは、参加者一人ひとりが日頃の練習の成果を十分に発揮し、非常に充実した大会となりました。回を重ねるごとに発音や表現力のレベルが高まっており、審査員としても高校生の皆さんの熱意と成長を強く感じています。
また、今年はスペインを代表する詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの没後90年にあたることから、ロルカの作品を中心にレシテーションコンテストを開催しました。スペイン語の響きの美しさだけでなく、詩の世界や言葉の奥深さにも触れてもらう機会になったのではないかと思います。
参加してくださった高校生の皆さん、そしてご指導いただいた先生方に心より感謝申し上げます。今後もこのレシテーションコンテストが、スペイン語やスペイン語圏の文化に親しむきっかけとなることを願っています。