
天理大学日本学科(留学生対象)は、7月25日に私費留学生を対象とした学外研修「Excursion」を実施し、留学生9名と教員4名が滋賀県大津市の比叡山延暦寺を訪れました。
日本学科では、留学生が日本文化を直接体験する機会として、年2回ほど「Excursion」を行っており、これまで企業博物館の見学や高野山訪問などを実施してきました。
今回のExcursionは、「聖地比叡山で育まれた日本企業と宗教文化」をテーマに、延暦寺でみられる伝統ある大規模寺院建築の見学、僧侶の食文化である精進料理の体験、大霊園でみられる企業墓の探索をおこないました。
今回訪れた比叡山延暦寺は、標高848mの比叡山全域を境内とする天台宗総本山で、1994年に世界文化遺産に登録されています。今回の研修では、東塔エリアおよび西塔エリアの主要伽藍を中心に見学しました。
東塔エリア 根本中堂(国宝)
2018年から大改修が進められており、工事期間中のみ、屋根や構造を間近で見られる貴重な機会となっています。特設ステージから屋根を見下ろすこともでき、留学生たちは文化財修理の現場を興味深く見学しました。


文殊楼
根本中堂の表門にあたる楼門で、根本中堂から急勾配の階段を上がった先にあり、かつての参詣者はこの門を通って根本中堂にお参りをしたようです。

精進料理体験
精進料理とは、「日本食」の源流の一つとされるもので、元々は肉食を避けて全て非動物由来の食材で構成される僧侶たちの食文化でした。

参加した留学生たちは、肉や魚を用いずに必要な栄養素を摂取するために考えぬかれ、食材や調理法に四季の特徴がみられる滋味深い食文化を五感で体験しました。
西塔エリア 転法輪堂(釈迦堂)
比叡山の西塔エリアの中心的な建物で、豊臣秀吉の命により三井寺から移築された歴史的建造物であり、比叡山で最古の建物です。大きな堂内で仏教文化の奥深さを感じ取ることができました。

留学生たちは、歴史ある建造物や仏教文化に触れながら、日本の宗教文化への理解を深めました。
比叡山大霊園
大霊園は、比叡山を下山して車で30分ほどのところにある霊園です。日本の企業の中には、創業家の墓とは別に、何かのメモリアル事業の一環として、高野山や比叡山の霊園に企業墓といって会社発展のために貢献した社員や関係者を祀り、供養するために供養塔をつくる風習をもつ企業がありました。

参加者は、霊園内に点在する企業墓をお参りし、墓の近くにみられる碑に刻まれた社誌を読み、どのような企業がどのような文脈で企業墓を作り、どのような特徴があるのかといった観点から、企業墓をめぐる企業文化を探求していました。

日本学科では、留学生が教室の学びだけでなく、現地での体験を通して日本文化を理解することを重視しています。今回のExcursionも、留学生が日本の歴史・文化に直接触れる貴重な学びの場となりました。